短歌を読んでいるはずなのに、十首を読み終えたとき、ひとつの物語を辿ったような感覚が残りました。描かれているものは決して軽くなく、胸が痛むほど凄惨な情景もあります。それでも印象に残ったのは、刺激の強さ以上に、三十一音へ込められた言葉の強さと繊細さでした。闇、火、水、月、そして赤。限られた言葉の中から情景が立ち上がり、その奥にある痛みや恐怖、そして「救いたい」という祈りまで伝わってくる。短歌だからこそ残る余韻―—その強さを感じた十首でした。
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