第3話
「コラー!なーに寝坊してんだ!」
あっ、やばい寮母さんが部屋にいる!なっ、なんで?ふと、枕元の時計を見ると始業15分前だった。
「やっ、やばい!早く準備しなきゃっ!」
「そうだよ!早く準備しろ!」
やっぱ、寮母さんのことは苦手だ。寮母さんの後ろに佳奈がいた。佳奈の顔を覗き込むと、悪ーい顔をしてた。
「か、佳奈あんた、あたしが起きないこと寮母さんに言ったでしょ?」
「なーんのことかなー?」
そう言って、鞄を持って部屋を出ていった。
「ぼけっとしてないでとっとと制服に着替えて授業に行きなさい!」
「げっ、やばあと10分で事業じゃん!急いで着替えなきゃ!」
あたしが着替え始めたのを見て、寮母さんは部屋を出ていった。
やっと準備が終わって、走って教室に向かったけれども誰もいなかった。黒板を見ると、
『今日の授業は森でです。演習場集合です。遅れたら、反省文です(新学期そうそう遅刻する人はいないと思いますけど)』と書いてあった
ここから演習場まで10分はかかる。けれどもあと5分ぐらいで授業が始まっちゃう!こうなったら、もうショートカット使うしかないでしょ!
あたしは、窓枠に指をかけて、屋根に登った。そこから屋根を渡って演習場にチャイムが鳴り始めると同時についた。
「ギリギリセーフ!」
喜んでいたら、佳奈に頭を叩かれた。
「『セーフ』じゃないの!5分前行動をしなきゃ!」
佳奈は小言がいちいちうるさい。なーんで先生たちはあたしたちを同じ部屋にしたんだろう?まあ、いつかわかるからいいや!先生がやってきた。
「これから授業を始める。今日から、あやかしの討伐訓練を始める!」
私の目が今、ピカッと目が光った。
「あたし、この風景見たことある。なんで?」
誰にも聞かれない声の大きさでいったはずが、隣にいた佳奈に聞こえてしまった。
「もしかして、デジャブか?」
「デジャブは、なんだか知らないけど、この風景、今日の夢に出てきた」
あたしは佳奈にどんな夢だったか正確に、丁寧に、覚えている限り伝えた。佳奈は頭を捻った。
「予知夢か?それにしては、はっきりしている。もしかして、瑠奈のもう一つの能力か?」
なんか、ぶつぶつ言ってるけど、無視する。もし、今日の夢が予知夢なら由紀ちゃんと組んじゃだめだ。夢の中では、佳奈が先に他の子と組む約束しちゃった。ならば、先に佳奈に聞けばいいんだ。
「佳奈、予知夢?のことが怖いから佳奈と組んでいい?」
佳奈に、無視されちゃった!まだ考えてるんだろう。
「わからん、疲れるから使いたくないけど、仕方ないから使うか。【レベル1、ズーシェ】」
この、能力はあたしの知ってる範囲ではあたしと佳奈しか使えない。なんでかわからないけど。
「佳奈、なんかわかった?」
「びっくりした!びっくりさせんなよ、瑠奈。能力を使ったが、見つかんなかったと言ったら嘘になるが、見つかったと言っても嘘になると言うぐらいの少しの情報しか見つからなかった。何が見つかったか、後で詳しく伝える」
先生が説明を佳奈を見てる間に終わらせていた。佳奈は、聴きながらでも考えられるから多分ルールはわかってる。
「佳奈?実践、一緒にやらない?」
「ああ、いいぞ。」
「てか、最後に一緒に訓練したのいつぶりだっけ?」
「言われてみれば、最近はやってなかったな。まあ、お前だから背中を預けられると言っても過言ではない」
「えーっ!?佳奈が、佳奈があたしのことを褒めた?!」
「うっ、うるさい!そんな大声で話すなら、組まないぞ」
佳奈は、時々可愛いところがある。今なんか耳まで真っ赤にして照れてる。
「全員、ペアを組んだかな?それでは、森の中に入って、あやかしを討伐してこい。2時間以内にここに戻ってこい。以上だ」
そうして、あたしたちは森の中に入っていった。これから何が起こるか知らずに。
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あやかしさん、バイバイ チーょこ @Chiror
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