第40話 サキも戦力?(5)

「ぐぅえっ!」


 右頬に焼けるような激痛が走る。筋肉質の男の拳がめり込み、そのまま壁際まで吹き飛ばされた。


「軽いな」


 ちくしょう、痛え……私は痛みに耐えながらも、サキへ視線を移し「撃て」と力いっぱい叫んだ。位置的に次に攻撃されるのはサキだ。

 視線の先で、サキはそのまま二回引き金を引く。その光景が目に映った時、突然、私の視界に女が入り込む。


「死ねえええええ」


 金切り声とともに、彼女はナイフを私の胸へと振り下ろす。

 その腕をなんとか掴んだ私は、力加減ができずにそのまま骨をへし折った。


「痛っ」


 叫びとともにナイフを落とした女。折れた箇所を抑え、うずくまり私を睨む。

 サキはどうなった?

 瞬間的にその言葉が脳裏に浮かんだ。


「パイン(サキ)、無事か……ふっ」


 私はサキへとゆっくり近づく。カチッ、カチッと連続して音を出す拳銃。

 そしてサキの瞳は、いまいち焦点が合っていなかった。


「もう、大丈夫だ。パイン(サキ)」

「う、うん」


 やっと我に返ったのか、そっと私の愛銃を手渡すサキ。

 目の前には全弾を打ち込まれた筋肉質の男が、血を流して倒れていた。


「行けるか?」

「だ、大丈夫よ。ちょっとびっくりしただけ」

「そうか」


 それ以上は何も訊かずに、私はパイプを振り回してきた細身の男に蹴りを二発入れた。

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