第33話 そうだ、車だ(2)
「私もその話し方にしようかしら」
「いや、似合わないからやめといたほうがいいな」
お前のその甘ったるい声で乱暴な話し方をされると相手が戸惑うだろ。
私はそう思って答えたのだが、サキは何か気にいらなかったのか、目を細めると険しい顔になる。
「今、見張りが交代したわ」
そのささやきに私は小さく頷いた。何か怒らせたのかとビビったじゃないか。
サキは手袋に付けたマイクを口元に近づけ、仲間に連絡する。
「こちら、パイン(サキ)。見張り交代したわ」
「こちら、アップル。了解だ。ブラインドされて部屋の中が見えなくなった。移動する」
「了解」
角がついているヘアバンド。それにイヤホンを上手く加工して取り付けている。
それなら目立たないし、有線で電波も飛ばさなくていい。
無線のやつは暗号化のせいか、妙に聞こえが悪くて頭が痛くなる。
「しかし、入ってからかなり時間が経ってるな」
「そうね。まあ、あいつらにも色々あるんじゃない?」
もう二時間近く見張りをしている。明日は休日だから寝ていられるが……そう思いながらも、見張りの二人に少し違和感を覚えた。
「あいつら、妙にリラックスしてないか」
前の二人よりも明らかに体も小さいし、なんか楽しそうに会話をしている。
武器も特に手に持ってはいなかった。
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