第25話 ライバルか!(2)

「ふっ、そうは言ってもライバルは私だからな」


 ここは余裕を見せないと押し切られる。諦めさせないと。

 私はそう思い、さらにこう続けた。


「綺麗だとか、美少女だとか……ふあ」


 実際にラルが言っていた言葉だが、自分で言ってて思い出し恥ずかしくなる。


「それ何よ?」

「ラ、ラルが私に言ってくれた言葉だ」


 私は耳まで熱くなるのを感じながら、そう答えた。サキは悔しそうに親指の爪を噛むと、「もう」と言葉を吐き捨てる。

 こんなに悔しがるコイツは初めて見た。


「もうそんな仲なのね」

「どうだ、諦めたか?」

「ますます落としたくなったわ」


 こっちのほうを見ると、彼女は対抗心を燃やしたように言い放った。

 諦めの悪いやつだ。


「まあ、私とラルは職場が一緒だからな」

「そうなの?」

「ああ、せいぜい頑張るといい」


 私はサキの肩をポンと叩くと、ついでに言った。


「そうだ、サキ=ユーバスなんてバレバレだぞ」

「いいのよ。意外とこっちのほうが『まさかな』って思ってバレないのよ」


 そう自信満々に彼女は答えると、そのまま事務室のほうへと歩き出したのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る