第35話 結末後⑥

さらに数年後。セシリア10歳、レイ31歳。


両親とお城に来ていたセシリアは、レイの所へ駆け寄った。


セシリア「レイおじ様!大好き!」


と、セシリアはレイに抱きつく。


レイ「どうしたの?セシリアちゃん。」


セシリア「私も10歳になったわ!」


レイ「そうだね。大きくなったね。」


セシリア「もし…もし、私が16歳になった時にレイおじ様が結婚していなかったら、私と結婚して!」


レイ「落ち着いて、セシリアちゃん。セシリアちゃんが16歳の時、僕は37歳なんだよ?そもそも、セシリアちゃんのお母さんと僕は、同じ歳なんだよ?」


セシリア「年齢なんて、関係ないわ!」


レイ「大事なことだよ。それにね、僕も一度結婚したけれど、奥さんが半年で病気で亡くなったんだ。その後も、婚約した相手が事故に遭ったり、大病を患ったり……僕が結婚するのは難しいんだ。」


セシリア「そんなの、ただの偶然よ!私はレイおじ様のお嫁さんになりたいの!」


セシリアが大声で叫んでいると、カイルが通りかかる。


カイル「どうしたんだ?セシリア、何をそんなに興奮しているんだ?」


セシリア「カイル様…。私はレイおじ様と結婚したいです。年齢なんて、関係ありません。それに、私は大きな怪我も病気もしたことがありません。丈夫で健康です。だから……レイおじ様のお嫁さんになりたいです。」


カイル「ふふっ。小さい頃から、セシリアはそう言っていたな。今も気持ちは変わらないんだな。」


セシリア「だって…私はレイおじ様のお嫁さんになる為に産まれたんだもの。」


カイル「ははははっ。レイのお嫁さんになる為に産まれたって?じゃぁ、レイ。責任を取らないとな。」


レイ「兄様!何を言っているんですか!小さな子供の言う事を、真に受けないで下さい。」


セシリア「レイおじ様!ひどいです!私はいつも真剣なのに………うぅぅ………。」


泣いてしまうセシリア。


カイル「レイ。幼くても真剣なんだ。それに、数年前に約束していただろう?」


レイ「兄様!?何でそれを……!」


カイル「ふふん!俺も、レイにやられてばかりにはいかないさ。セシリアが16歳になった時に独身なら、責任を取れよ?」


レイ「それは………。」


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