第30話 結末後①

祖母(メイ)43歳。

女の子の母親(メイの娘セシリア)22歳。

女の子(セシリアの娘シーラ)5歳。

メイの長男(ヴィンセント)20歳。

メイの次男(デリック)16歳。

ディル58歳。

レイ43歳。

アミーリア38歳。

エイベル39歳。

ヴェラ・ボード(アミーリアとエイベルの一人娘)16歳。



孫ができたメイは、一冊の絵本を孫のシーラに読んであげている。


祖母といっても、まだ40代前半。


祖母メイ「…………そうして、その女の子と騎士は結婚しました。おしまい。」


女の子シーラ「ねぇねぇ、お祖母様?」


祖母メイ「なぁに?」


女の子シーラ「このお話しに出てくる女の子は、お祖母様でしょう?」


祖母メイ「なぜ、そう思うの?」


女の子シーラ「だって、お祖母様とお祖父様の馴れ初めとそっくりだもの。」


祖母メイ「私達の馴れ初めなんて、誰に聞いたのかしら?」


女の子シーラ「お父様!」


祖母メイ「ふふっ。レイったら……。」


なんと、メイの娘とレイが結婚していた。


女の子シーラ「お父様って、昔はお祖母様のことが好きだったのでしょう?」


祖母メイ「レイがそう言ったの?」


女の子シーラ「お父様も言ってたし、他の人も言っていたわ。」


祖母メイ「もう、レイったら…娘に何を話しているのよ。」


シーラ「お母様も、そのことを知っていたわよ。だって、お母様…『私が猛アタックして、傷心のお父様を口説き落としたのよ。』って言っていたもの。」


祖母メイ「セシリアったら!はぁ~…。」


シーラ「私も好きな人ができたら、お母様みたいにゲットするの!」


祖母メイ「シーラ……。」


そこへ、メイの息子がやって来る。


息子ヴィンセント「母さん、父さんが呼んでいましたよ。」


祖母メイ「分かったわ。すぐに行くわ。」


シーラ「ヴィンセント叔父様!」


ヴィンセント「遊びに来てたんだね、シーラ。俺と一緒に庭を見に行くかい?」


シーラ「行く〜。」


ヴィンセントと手を繋いで歩くシーラ。


メイ「ディル。私を呼んでいたと聞いたわ。どうしたの?」


ディル「デリックのことで、少し話がある。」


メイ「デリックがどうしたの?」


ディル「デリックが婚約したいと言い出した。」


メイ「えぇ!?相手は誰?」


ディル「それが…ヴェラ・ボード様だ。」


メイ「仲が良いとは思っていたけれど、まさかそんなことを言い出すなんて……。」


ディル「あぁ。しかし、ボード家から婿養子にしたいと正式に打診があるんだ。」


メイ「ええ〜!?」


そこへ、使用人がやって来る。


使用人「ボード家夫妻がお見えです。」


ディル「何だって!?メイ、とにかく行くぞ。お待たせするわけにはいかない。」


メイ「分かっているわ。」


そうして応接室へと向かった。



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