第10話 9話の続き

ディル「メイ。少しだけ体を離してくれるか?俺の服は汚れているから、着替えだけしたい。」


メイ「………もう少しだけ………。」


そう言って、メイはディルから離れない。


ディル「分かった。」


ディルは少し困った様子を見せるが、無理やりにメイを引き離さなかった。


しばらくの間そうしていると、またドアがノックされた。


コンコン…


ディル「はい。」


レイ「僕だけど…入っていい?」


ディル「入って来て下さい、レイ様。」


ディルの返事を聞くと、レイとレイの護衛のガイ・ブライサーは部屋に入って来た。


レイ「メイ……。」


ソファーに座ってディルにしがみつくメイを見て、少しだけ顔を曇らせた。


ディル「すみません、レイ様。」


レイ「気にしなくていいよ。メイが落ち着くなら、何でもしてあげて。」


ディル「何でもは……ちょっと困ります。」


レイが向かい側のソファーに座り、ガイは側に立った。


レイ「う〜~ん?ディル、城に戻ってから着替えはした?」


ディル「いえ、まだです。」


レイ「メイと一緒に寝てあげるんでしょ?さすがに着替えは済まさないとね。」


ディル「分かっていますが…メイがこの状態で……動けないんです。」


メイ「……………。」


メイは何も言わず、抱きついたまま。


レイ「メイ。ディルと一緒に寝たいでしょ?シャワーと着替えだけ、させてやってよ。ね?」


レイがそう言うと、メイはディルから体を離し、ディルの顔をチラリと見る。


レイ「メイのことは僕達が見てるから、行ってきなよ。」


ディル「分かりました。そうさせて頂きます。メイ、すぐに戻ってくるから、待っててくれ。」


ディルの言葉に、メイは小さく頷いた。


そうして、ディルは兵士の詰所に向かった。


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