第7話 睡眠の村
その村に立ち入ったら突然眠くなるという
運転中でも仕事中でも外で歩いていたって眠くなり寝てしまう
寝て起きた日には記憶が少し抜けていたり
体に力が入らなかったり不思議な出来事が起きてしまう
眠気を感じ少し目を閉じただけで
次に目を開けたら6日経っていたなんてこともあった
そんな村へ不幸にもある女大学生が足を踏み入れる
「国分千𛀗です、今日からよろしくお願いします!」
『よく来たねぇ、ここらへんでこんな若い子が来るのは久しぶりかもねぇ』
【カラチ村】という村へ論文の為実地調査へ入りました
『あそこの家のこも最近【寝ちゃった】らしいの、話を聞いてやってよ』
【あそこの家】と言われた家には(野村)の字があった
「あ、君が千佳さん?話すと言っても寝ていただけだからね、
ちょっと寝すぎた程度だと思ったんだけど
いつの間にか2日も過ぎてて、またかってなったのよね、、、」
「なるほど、少し寝ただけなのに2日、不思議ですね
またか、ということは前にも同じことが?」
『えぇ、前は一日が過ぎてたって感じで、不信感はあったけど、
疲れすぎてたってだけかもとおもって、』
「普通におかしいと思いますけどね、、1回寝ただけで一日が過ぎるなんて、、」
それから一日周りの住民の人に話を聞いてまた次の日にまわりを見ようと少し休んでいた、はずだった。
バッと起き上がると外は暗かった
「な、なんだ、まだ夜じゃん」なぜか体全体がダルいように感じる
その時そこの部屋を貸してくれている人がやってきた
『あら、あなたも、ここに来たら同じなのね
もう貴方が寝て四日目だったのよ』
四日目?四日目、そうか4日も寝ていたらそうなるのかな
目の前のおばさまは何故かすごく大きく見えた
寝すぎの幻覚とはこんなにも恐ろしいのか、周りがいつもより明るく見える
『ねぇ、あんた大丈夫?なんか、目、どこを見ているの?』
誰かが私の顔を覗き込んだその目には蛆が湧いていた
実地調査ではあまり何も見られなかったが寝たあとの村人の中で
「幻覚が見えたような気がする」「物の大きさが今でも大きく見える時がある」
そんなことがあった気もする。
『第35法!此処では何人の人権の尊重、人権の保身を赦さない!
第35法!此処では何人の人権の尊重、人権の保身を赦さない!
第35法!此処では何人の人権の尊重、人権の保身を赦さない!』
「えっと、あの人は?」
『あぁ、あの人はね、長く眠りすぎて、長くこの村に居すぎて幻聴、幻覚、幻想を抱いてしまったひとなの、あんまり触らないであげて、』
私はその半裸の男の人を見てから足早く村から出て論文を出すためまとめた
論文を出した数日後国分千佳は癌で息を引き取った
それからカラチ村の近くの廃坑となった鉱山の地下水から発生した
【一酸化中毒】と判明した
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます