星屑人形


 星屑人形スターダスト・ゴーレムの性能確認をしていこうか。鑑定には耐久性に優れると書いてあったが、どれくらいだろうか。

 …ミカエル達に殴らせるか。


「ミカe—」

「お呼びでしょうかアヴィリル様」

 俺が呼ぼうとした瞬間、目の前にミカエルが現れた。


「速っ、そして近いわ」

 コイツ見た目が巨大な目玉だから怖いんだよ。


「…シュラとオボロも来てくれ」


 俺は3人を呼び、これからすることを説明した。


「お前達には俺が作ったゴーレムの性能確認を手伝ってもらう。大広間に行って実験するからついて来てくれ。星屑人形スターダスト・ゴーレムもな」


 俺に続いてミカエル、シュラ、オボロ、そして星屑人形スターダスト・ゴーレムが広間に向かった。ついでにフェンも。



 広間に着くと侵入者の死体はすでにダンジョンに吸収され無くなっていた。


 …死体はないか。まぁあっても邪魔なだけだからいいけど。


「では、星屑人形スターダスト・ゴーレム…って名前長いな。ゴーレムでいいや。来てくれ。そして中央に行ってくれ」


 俺の指示に従いゴーレムは広場の中央まで行き止まった。


「じゃあ、今からゴーレムを順番に殴ってくれ。最初は…せっかくついて来たし、フェン行ってくれ。始めと言ったら始めてくれ」


「ワンッ!」

 フェンはゴーレムの元までかけていった。


「ゴーレム、盾を構えてくれ。…始め!」


 合図と同時にフェンはゴーレムの元はかけていった。

 フェンは自身の鋭い牙で噛みつこうとしたが


 ガキィン!


 ゴーレムの身体に傷をつけることは出来なかった。


「おお、フェンの噛みつきに耐えるのか。目立った傷もついていないな。…じゃあ次はオボロ…いややっぱりシュラ、行ってくれ。すまんな、オボロ」


「イエ」


 フェンであれだからな、盗賊のオボロでも多分同じ結果だろう。ならホブゴブリンの戦士の方が良い。


 シュラはゴーレムの前まで行くと拳を構えた。

 …そう言えばシュラ達の武器ってちゃんと用意していなかったな。今まで盗賊からの拾い物をつかっていたからな。

 終わったら簡単なものでも作ってみるか。

 …演算機さんが


「…よし。シュラ、始め」


 シュラはゴーレムの前に立つと

「身体強化」

 スキルを発動し構えた盾に全力の拳を繰り出した。


 シュラの攻撃にゴーレムは僅かに後ろに下がったが、この一撃ではゴーレムの盾に傷をつけることは出来なかった。

 だがシュラは通じなかったと見るとすかさず構えられた盾をすり抜け、本体に攻撃をした。



 ガァン!


 重々しい音が響いたその一撃はゴーレム体に凹みを付けた程度で収まった。


「シュラでも倒せないか。…でも盾は無理だったけど本体に凹みを付けたからな。可能性が無いわけではないか」


 盾は核の周りの次に一段と厚く重く作ってるからな。傷つけられなくても無理はない。


「次はミカエルなんだが…」


「はい。アヴィリル様」


 正直、コイツに攻撃させる必要はあまりない気がする。

 前衛クラスのホブゴブリンの一撃でわずかにだが後退させ凹みを作ったからな。最高位の魔物の攻撃なんてくらったらひとたまりもないだろ。


 俺が悩んでいる間にミカエルはゴーレムの前まで行き開始の合図を待っていた。


「まぁいいか、性能確認だしな。よし、始め」


 ミカエルはシュラと同じ様に盾を構えたゴーレムの前に立ち一撃を繰り出そうとしていた。


「せっかくアヴィリル様の実験に参加させていただいているからな。私も全力で応えよう」


「…えっ、全力?」


「〈身体強化〉〈剛力〉〈破壊効率〉」

 ミカエルは自身のスキルを発動させていった。


「いやっ、ちょっと待て!お前の場合スキルまで使う必要は——」


 しかし俺の勧告も虚しく

「ハッ!!」

 ミカエルのスキルを乗せた全力の一撃がゴーレムに放たれた。


 ドゴォン!


 シュラ以上に重々しい音が広間に響き渡った。

 その一撃に一瞬、ゴーレムは耐えた

「お!耐え—」

 かに見えたが次の瞬間にはゴーレムは吹き飛ばされ広間の壁に激突していた。


「…えぇ、マジか。ってかゴーレムは無事か!」


 俺はゴーレムのそばまで行き状態を確認した。

 盾に大穴は空いていたが、本体には空いていなかった。おそらく盾で威力が軽減されたおかげだろう。

 それでも貫通していないだけでゴーレムは酷い有様になっていた。


「あぁ、これは酷いな。やっぱり最高位の魔物の全力にはまだ耐えられないか」


 いや待てそんな事より先に核だ。ゴーレム核は無事か?


 核は1番硬い層に守られていたおかげか幸いなことに無事だった。


「核は無事か。これなら身体を直すだけですみそうだな」


 それよりだ


「おいミカエル!この野郎!確かに俺も注意していなかったとは言え、スキルまで使う必要は無かっただろう。お前は最高位の魔物、大天使アークエンジェルなんだぞ。このダンジョン内で現状お前が1番強いんだから少しは加減してくれ」


「た、大変申し訳ございません!!神の御前で私の勇姿を見られていると思うとつい、私の全力で応えたくなってしまったのです!」


「…はぁ。もういい。お前も別に悪気があってやったわけじゃないもんな。俺も注意して無かったし。すまんな」


「い、いえ。そこまで考えが及ばなかった私が未熟だったのです」


「とりあえず、確認はもう終わりだ」


 ゴーレムは流石に最高位の攻撃には耐えられなかったが、一瞬とは言え希望が見えたな。


「このゴーレムは魔物の位階で言えば高位くらいってことか?」


『はい。ですがシュラの攻撃を受け凹みができたことから高位と言えども中位よりは強い程度だと推察されます』


「上の下ってことね。なるほど」


 それでも相当強いことには変わりは無いからな。俺の護衛に加わってもらおう。


 こうしてゴーレムの性能確認は終了した。


 そろそろダンジョン作りを再開するか。なんだかんだ言って広間を作ってから何もしていないからな。

 召喚して魔物も増やさないといけないし、アイツらの武器も作らないと。そしてゴーレムの身体も直さないとか。


 やる事、多すぎないか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る