冥絆未歌

第1章 力尽きる寸前

赤く染まる夜空の下、戦場は深く震え、瓦礫が散乱し、灰と煙が漂っている。七歌は剣を握りしめ、全身に力を込めながら前に進む。

「……くっ、まだ……!」

膝をつき、剣を地面に突き刺して荒い呼吸を整える七歌。胸の奥が熱く震える。

頭の奥で絆川の声が響く。

「七歌……俺の力を信じろ……絶対に、諦めるな」

その瞬間、カットインのように絆川が戦場に飛び込む。拳を振り上げ、冥界死冥川の顔面に叩き込む。

「お前の好き勝手にはさせない! 俺はもう闇に落ちない!」

冥界死冥川がうめき、力を崩す。影が少しずつ薄れ、光が差し込み始める。

七歌は震える声で叫ぶ。

「絆川……ありがとう、俺は……まだ諦めない……!」

絆川は光を纏い、七歌を励ます。

「七歌、お前の光を信じている。俺も共に戦う……絶対に、俺たちは負けない!」

周囲の瓦礫が光で輝き、煙がゆっくりと薄れ始める。二人の力が戦場を包み、冥界死冥川を追い詰める光の渦が形成される。


第2章 七つの罪の重み

七歌は胸の奥で己の七つの罪を思い返す。

「裏切り、怠惰、嫉妬、暴力、傲慢、暴食、そして……俺の弱さ」

剣を握り締め、深く息を吸い込む。

「……俺は……七つの罪を背負って生きる、Shi七歌……その名に恥じぬ戦いをする!」

剣先から虹色の光が迸り、冥界死冥川の黒霧を弾き返す。

「ふ……七歌よ、その罪が力となるか……見せてもらおう」

冥界死冥川は影を伸ばし、低く嗤った。

七歌は拳を握り、全身の力を剣に集中させる。

「全部……俺の力になる……! 裏切りも、怠惰も、嫉妬も、暴力も……俺の力だ!」

虹色の光が戦場に渦を生み、黒霧を押し返す。瓦礫が光に照らされ、灰が舞い上がる。

冥界死冥川は叫ぶ。

「七歌……罪など、光に勝てぬ……覚悟だけでは闇は消えぬ!」

七歌は叫ぶ。

「覚悟は……俺の力だ! 俺は七つの罪を抱えているからこそ、立てるんだ!」


第3章 光と闇、七つの罪の交錯

冥界死冥川が黒い霧の刃を振るう。戦場は裂け、衝撃波が辺り一帯を揺らす。

「七歌、お前の光など、闇の前では無力だ!」

七歌は光を纏い、闇に立ち向かう。

「いや……俺は七つの罪を背負って戦う! その罪を力に変えて、光を貫く!」

過去の記憶がフラッシュバックする。

幼い頃、仲間を守れなかった日々、涙、裏切った者への後悔、己の弱さを許せなかった日々……

「全部……俺の力になる……!」

剣先から虹色の光が迸り、黒霧を切り裂く。

冥界死冥川は影を伸ばし、力の限り攻撃を繰り出す。

「七歌、罪など光に勝てぬ……覚悟だけでは闇は消えぬ!」

「覚悟は……俺の力だ!」

七歌は叫び、剣閃で黒霧を押し返す。

「俺は……逃げない……! 逃げたら、仲間も俺も……終わるんだ!」


第4章 迫る覚醒

冥界死冥川が全力で攻撃を繰り出す。影の刃が空を裂き、地面を抉る。

「七歌……お前の光など、すぐに粉砕される!」

七歌は呼吸を整え、胸の奥の七つの罪を思い浮かべる。

「俺は逃げない……七つの罪を背負ったまま戦う! Shi七歌、ここに覚醒!」

全身から光が炸裂し、虹色の光が冥界死冥川を包み込む。

戦場に光と闇の渦が生まれ、七歌の力は一段と増幅する。

「七つの罪……全部力になる……!」

叫ぶ七歌の声が戦場を震わせ、瓦礫が空中で舞い上がる。

冥界死冥川は影を振り乱し、激しく嗤う。

「覚醒……か……! 七歌よ……お前の光は……俺を止められるか……!」


第5章 冥界死冥川を追い詰めて

七歌は光の中で立ち上がる。

「冥界死冥川……覚醒したお前の力も、俺の七つの罪を背負った力には敵わない!」

冥界死冥川は影の渦を広げ、最後の一撃を放とうとする。

だが七歌の剣がそれを阻む。

「光と闇、罪と贖い……すべて俺が抱える! これがShi七歌の力だ!」

夜空に赤い光と七歌の虹色の閃光がぶつかる。

剣から放たれる光が冥界死冥川を貫き、完全に撃破する。

戦場に光が広がり、黒い影は完全に消え去った。

七歌は息を整え、瓦礫の上に座り込み、涙を浮かべながらつぶやく。

「これで……終わったんだな……絆川……俺たち、やっと……やっと守れたんだな……」

遠くで静かに光が揺れ、戦場に平穏が戻る。七歌の心に、七つの罪も、闇も、そして光もすべて抱きしめられた確かな感覚が宿った。



第6章 絆の再確認

戦場にはまだ光と闇の残滓が漂う。瓦礫に混じる光の粒が、七歌と絆川の足元で揺らめく。

七歌は深呼吸し、剣を握り直す。

「絆川……本当に戻ってきてくれたんだな」

声は震え、瞳は潤んでいる。

絆川は微笑み、七歌の手を握り返す。

「心配させたな。でも、俺は戻った。お前と一緒に、また歩く」

「ずっと……ずっと一緒だよな? どんな時でも……」

「もちろんだ、七歌。俺たちは、何度だって共に立ち上がる」

七歌は過去を思い返す。幼い頃、何度も助けられ、励まされ、共に笑った日々。

「俺にとって、絆川は……お前は、絶対に失えない仲間だ」

絆川は優しく微笑む。

「俺も同じだ、七歌。お前の光が、俺を支えてくれた」

二人は戦場の瓦礫の中で肩を並べ、静かに互いの存在を確認した。


第7章 光の余韻

戦場に光の波が広がり、七歌の虹色の閃光と絆川の光が共鳴する。

「もう二度と、迷惑はかけない……俺たちの光だ!」

七歌は剣を掲げ、全身に力を込める。

絆川は拳を握り、虹色の光を纏いながら言う。

「俺たちの絆で、闇を完全に抑える」

「七歌、俺たちなら、どんな影も恐れることはない……!」

瓦礫の間を光が照らし、二人の足元に希望の光が差し込む。

「ありがとう、絆川……お前がいてくれたから、俺は立てた」

「お前もだ、七歌。俺たちは一緒に戦ってきた――これからも、ずっと」

戦場に静寂が訪れ、二人の心の中には確かな安堵が芽生える。


第8章 新たなる影の予兆

光と闇の余韻の中、遠くで微かな気配が動く。

「……ふふふ、これもまた計画通り」

冷たい声が夜空に響く。

七歌は剣を握り直し、緊張を高める。

「……またか……!」

絆川も拳を握り、戦闘態勢を取る。

「どんな影でも、俺たちが止める」

瓦礫が浮き、黒い渦が戦場に蠢く。

「お前たちの余韻は、ここで終わりだ」

七歌は叫ぶ。

「俺たちの光はまだ消えていない! お前の闇など、絶対に打ち破る!」

絆川も応える。

「どんな力でも、俺たちの絆には勝てない!」

二人の光が渦巻く闇に突き刺さり、影は一瞬揺らぐ。


第9章 二人の決意

七歌は胸に手を当て、剣を高く掲げる。

「俺たちは……仲間だ! どんな闇でも、どんな影でも、絶対に負けない!」

絆川も全身に光を纏い、力強く叫ぶ。

「俺は七歌と一緒に戦う! 光も闇も、全部抱いて進む!」

黒い渦が再び迫るが、二人の光は完全に融合し、虹色の閃光となって渦に突き刺さる。

「俺たちの絆は、何にも壊せない!」

「一緒にいる限り、俺たちは無敵だ!」

光と闇の渦が激しくぶつかり合い、戦場に新たな嵐を巻き起こす。

七歌は叫び続ける。

「俺は七つの罪を背負っている! でもその罪さえ、今は光になる!」

絆川も続ける。

「俺もお前と一緒だ、七歌! 光も闇も、俺たちの絆で制する!」


第10章 未来への歩み

戦いの余韻が広がり、二人は戦場に立ち尽くす。

瓦礫の隙間から朝日が差し込み、赤と虹色の光が混ざり合う。

七歌は剣を握り直し、絆川を見つめる。

「これからも……ずっと一緒だ」

絆川は微笑み、肩を叩く。

「どんな影が現れても、俺たちは共に戦う。これが俺たちの未来だ」

二人は互いに頷き、戦場の光と闇の中を歩き出す。

新たな影の存在は確かにある。だが二人はもう恐れない。

「俺たちの絆が、すべてを越える」

「そうだ、これからもずっと――」

夜空に残る光と闇の余韻を背に、七歌と絆川は未来へ進む。

希望、信頼、そして友情――その全てが、二人の胸に力強く息づいていた。


そして物語は新たなる道へと進む

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