肝試し

「肝試し」

夜の学校

深夜に悪ガキどもが集うにはうってつけだ

悪友ＪとZとともに俺もそこにいた

ただ、非日常を求めているだけだったのだ

音の無い空間を享受する

しかし深夜の学校だ

すぐに全裸の警備員が駆けつける

しまった！全裸の里の追っ手だ！

逃げようとして振り返るとJとZ　　も全裸になっていた

そうか……お前らも追っ手だったのか……

信頼していた友人が追っ手だったという事実を受け止めきれない

必死で逃げるが、涙で視界が濁る

辿り着いた部屋は理科準備室

「ｴﾝｯ」ってなるようなヤベェ薬品でもあれば助かるのだが

しかし、不幸中の幸いだ

全裸の人体模型がある

俺は人体模型に話しかける

「いいか、これから3人の全裸がやってくる」

「やつらは敵だ。始末しろ」

人体模型は俺の呼びかけに応えるかのように眼球と内臓を点滅させ、ゆっくりと動き出す

人体模型が仲間になってくれた

こんなに心強いことはない

必ずヤツらを返り討ちにしてやる

追っ手どもめ

覚悟しておけ

逃がさないぞ

俺はゆっくりと服を脱ぎ、全裸になった

長い夜になりそうだ

明日の朝日を拝めると思うなよ