彼女たち

@styuina

本編

 と、ぼく。そこで彼女はぼくに抱きついて来たのである。

「ほんと!?」

 と、彼女。

「あ、はい」

 と、ぼく。

「でも、何日も前にも告白してたよね?」

 と、ぼく。

「え? あ、うん……で、でも!ちょっと待って!」

 と、彼女。

「な、なんですか?」

 と、ぼく。

「じ、じつはそれもわたしなの!」

「へっ?」

 と、ぼく。

「あ……いや……えっと……」

 と、彼女。ぼくは続けたのだった。

「……どういうことですか?」

 と、ぼく。すると彼女は答えたのだった。

「じ、実は……わたし……いや、わたしたち」

「たち?」

「いっぱいいるの」

「え?」

 と、ぼく。彼女は続けたのだった。

「うん、いっぱいいるの」

「な、なにがですか?」

「だからわたしよ!」

「……あの……どういうことですか?」

 すると彼女は答えたのだった。

「つまりね!わたしが沢山いるってことよ!」

「……え?」

 と、ぼく。すると彼女は続けたのだった。

「だから!わたしがたくさんいるの!」

「な、なんでですか!?」

 と、ぼく。彼女は言ったのだった。

「それはね……えっと……」

「はい」

 と、ぼく。そして彼女は言ったのだった。

「あ、あのね!実はわたしたちはね、分裂した存在なのよ!」

「え?」

 と、ぼく。彼女は続けたのだった。

「うん、分裂した存在なの」

 ぼくは言ったのだった。

「……どういうことですか?」

 すると彼女は答えたのだった。

「つまりね!わたしがたくさんいるってことよ!」

「あ、はい」

 と、ぼく。そして彼女は言ったのだった。

「それでね!そのわたしはみんなあなたのことが好きなのよ!」

「……は?……」

 と、ぼく。彼女は続けたのだった。

「それでね!そのわたしはみんなあなたのことが好きなのよ!」

「……え?」

 と、ぼく。そして彼女は言ったのだった。

「だから!わたしと付き合って!」

 ぼくは答えた。

「……えっと……あの……はい……」

 すると彼女はぼくの腕に抱きついて来たのである。それからぼくたちは一緒に帰ったのだった。そしてその夜のこと、彼女から電話がかかってきたのである。どうやらぼくに話したいことがあるらしいのだ。ぼくは彼女と待ち合わせをした場所に向かったのだった。そこで彼女にこう言われたのである。

「好きです!」

「えっと……あの……」

 と、ぼく。すると彼女は言ったのだった。

「……あ、あの……ですね……」

「……え?」

 と、ぼく。そして彼女は続けたのだった。

「その……えっと……えっと……」

「はい」

 と、ぼく。そして彼女は言ったのだ。

「わ、わたしと付き合ってください!」

 と、彼女。

「え?」

「……あ、あの……えっと……」

「はい」

 と、ぼく。そして彼女は言ったのだ。

「わ、わたしと付き合ってください!」

「あ、はい」


 と、ぼく。そこで彼女はぼくに抱きついて来たのである。

「ほんと!?」

 と、彼女。

「あ、はい」

 と、ぼく。

「でも、何日も前にも告白してたよね?」

 と、ぼく。

「え? あ、うん……で、でも!ちょっと待って!」

 と、彼女。

「な、なんですか?」

 と、ぼく。

「じ、じつはそれもわたしなの!」

「へっ?」

 と、ぼく。

「あ……いや……えっと……」

 と、彼女。ぼくは続けたのだった。

「……どういうことですか?」

 と、ぼく。すると彼女は答えたのだった。

「じ、実は……わたし……いや、わたしたち」

「たち?」

「いっぱいいるの」

「え?」

 と、ぼく。彼女は続けたのだった。

「うん、いっぱいいるの」

「な、なにがですか?」

「だからわたしよ!」

「……あの……どういうことですか?」

 すると彼女は答えたのだった。

「つまりね!わたしが沢山いるってことよ!」

「……え?」

 と、ぼく。すると彼女は続けたのだった。

「だから!わたしがたくさんいるの!」

「な、なんでですか!?」

 と、ぼく。彼女は言ったのだった。

「それはね……えっと……」

「はい」

 と、ぼく。そして彼女は言ったのだった。

「あ、あのね!実はわたしたちはね、分裂した存在なのよ!」

「え?」

 と、ぼく。彼女は続けたのだった。

「うん、分裂した存在なの」

 ぼくは言ったのだった。

「……どういうことですか?」

 すると彼女は答えたのだった。

「つまりね!わたしがたくさんいるってことよ!」

「あ、はい」

 と、ぼく。そして彼女は言ったのだった。

「それでね!そのわたしはみんなあなたのことが好きなのよ!」

「……は?……」

 と、ぼく。彼女は続けたのだった。

「それでね!そのわたしはみんなあなたのことが好きなのよ!」

「……え?」

 と、ぼく。そして彼女は言ったのだった。

「だから!わたしと付き合って!」

 ぼくは答えた。

「……えっと……あの……はい……」

 すると彼女はぼくの腕に抱きついて来たのである。それからぼくたちは一緒に帰ったのだった。そしてその夜のこと、彼女から電話がかかってきたのである。どうやらぼくに話したいことがあるらしいのだ。ぼくは彼女と待ち合わせをした場所に向かったのだった。そこで彼女にこう言われたのである。

「好きです!」

「えっと……あの……」

 と、ぼく。すると彼女は言ったのだった。

「……あ、あの……ですね……」

「……え?」

 と、ぼく。そして彼女は続けたのだった。

「その……えっと……えっと……」

「はい」

 と、ぼく。そして彼女は言ったのだ。

「わ、わたしと付き合ってください!」

 と、彼女。

「え?」

「……あ、あの……えっと……」

「はい」

 と、ぼく。そして彼女は言ったのだ。

「わ、わたしと付き合ってください!」

「あ、はい」

 と、ぼく。それから僕たちは一緒に帰ったのだった。そしてその夜のこと、彼女から電話がかかってきたのである。どうやらぼくに話したいことがあるらしいのだ。ぼくは彼女と待ち合わせをした場所に向かったのだった。そこで彼女にこう言われたのである。

「わたしと付き合ってください!」

「あ、はい」と、ぼく。

 何度目だろう、これ。

「あ、あのね!そのね!」と、彼女。

「わたしね!あなたのことが大好きなの!だからね!わたしと付き合ってほしいの!」と、彼女。

「あ、はい」と、ぼく。

 そしてぼくたちは一緒に帰ったのだった。そしてその夜のこと、彼女から電話がかかってきたのである。どうやらぼくに話したいことがあるらしいのだ。ぼくは彼女と待ち合わせをした場所に向かったのだった。そこで彼女にこう言われたのである。

「わたしと付き合ってください!」

「あ、はい」と、ぼく。

「……え?」

 と、彼女。すると彼女は言ったのだ。

「わわっ!ごっごめんなさい!」

 と、彼女。

「え?」

 そして彼女は言ったのだった。

「まだ、わたしの出番じゃなかったわ!」

「え?」

 と、ぼく。すると彼女は言ったのだった。

「わわっ!ごっごめんなさい!」

 と、彼女。そして彼女は続けたのだった。

「……あ!違うわ!違うの!」

 と、彼女。ぼくは言ったのだった。

「えっ?」

 すると彼女はこう叫んだのだった。

「あたしっ!!!」

「……えっと……え?」

 と、ぼく。すると彼女はこう続けたのだった。

「……それって」

「あ、はい」

 と、ぼく。彼女は言ったのだった。

「わたしって言う子が一杯いて」

 と、彼女。


 わたしはいま、杖が必要になる程度に老いた。

 彼女は相変わらず告白してくる。

「最近、あなたに似た人を見つけたの、かれからも好かれてるらしいわ」

 と、彼女談。

 彼女は言ってないけど、そのかれとも告白ループをしているのだろう。

 わたしには1週間に一回くらい。

 今は、彼女たちは、そのお気に入りに夢中なのだろう。

 わたしがこの世からいなくなってしまえば、彼女たちはわたしを忘れるだろう。

 わたしが死んでも、彼女たちはどこかの誰かを告白してるのだろう。

 永遠に。

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