「涙の音を聞いたことはあるかい？」

腕にはめたパペットはそう問いかけた。

「涙の音とはなんだ？涙が溢れたときに音が鳴るのか？それとも雫が跳ねる音か？」

もう片方のパペットも喋りだした。

「涙の音って何ですか？」

顔面につけた口も話し出した。続けてこう言った。

「涙の音っていうのはね、金縛りになる音に似ている」

通行人のパペットがこう囁く。

「金縛りは怖い　怖い音　サルの声　黄泉のせせらぎ　土の中…怖い音が涙の音？」

片方もこういった。

「恐慌な轟、妖美に唆す。本能、素直であれ。」

通行人は問いかける。

「それはどういう意味だい？」

私は答えた

「音を聞いた」と

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