二章05話 滅ぼすべき敵を求めて
[newpage]#01 敵の位置
グラニエッゾ碑文の置かれた城に、サトル=モモンガ、クミコ=ぶくぶく茶釜、キーノ・ファスリス・インベルンが出向いていた。グラズン・
内陣4人、外陣17人が控えていた。滅ぼされたメンバーも多かったが、グラズン・
碑文の城で、頂点なのは、クミコ=ぶくぶく茶釜となるので、
「報告を」
徘徊するアンデッドの町や村は、非常に広範囲に渡っていて、インベリア王国の王都が、端っこに位置していることが確認されていた。
樹木も枯れ果てて、山崩れ等で埋まってしまった地域もあったけれど、概ね200kmほどの円形に広がっていた。中心にケイテニアス山が確認されて、山中に原因となる敵が居ると推定されていた。
「我らを支配していた、アレと同じ、アンデッドの竜王と想定されます」
敵は、八欲王と戦っていない、もしくは逃げ隠れしていた竜王の可能性が高い。
「始原の魔法か?」
ピンクな声が、可愛く響くと、ギャップが凄まじい。
「はッ。私は竜を斃したことがありますが、若い竜は位階魔法しか使えないと確認しています、師匠」
応えたのは、六本腕に双頭のバネジエリ・アンシャス。六本の腕に武器を装備して、接近戦から魔法戦闘までこなすが、
「
色素が抜け落ちたような、純白の毛皮、紅瞳は紅く燃えるように煌いた神狼が、厳かに語った。
「フェン。ちょっと来い」
「え、それは・・・」
「くぅーん」
気持ちよさそうに呻く姿は、北方で賢者と呼ばれし
「ケイテニアス山については」
「生き物の住まぬ枯れ山、雨に崩れ、岩肌が剥き出しとなっていて、かなり大きな洞穴が見えると・・・ご命令通り、中の確認はしていません」
こちらの戦力等を確認させないため、余計なちょっかいをせず、近づかぬように命令していた。
[newpage]#02
紅眼公は「True Vampier」であり、「
周囲には、誰も生き残っては居なくて、アンデッドとなって徘徊するだけの者達となっていた。
二十年の歳月をかけて、魔法を覚え、様々に試したが絶望だけが残った。徘徊する配下や領民を、自らの手で滅ぼし、焼き払って供養をしている。
「つまり、敵は
「私も御一緒したいが、やはりダメか」
仇討ち・・・
「だめだ。言ったはずだ、ケイテニアス山の近くにあった国では、アンデッドは徘徊していない」
調査で確認できたのは、徘徊するアンデッドは、ケイテニアス山に近づくと、減っていって、廃墟だけが残されていた。アンデッドが、ケイテニアス山に移動していったらしい跡も発見できた。
「近づけば、意識を奪われるか・・・」
「可能性だけど、それを試す気は、無いわよキーノ」
「クミコ姐」
前から言われていた、キーノも、しょんぼりしていた。
[newpage]#03 竜とアンデッド
サトル=モモンガは、
「
「匹敵すると考えて、行動すべきね、サトル君」
「了解・・・」
応えながら、サトル=モモンガが、考え込んでいた。
「どうしたの、サトル」
キーノが、心配そうに訊くと、
「いや、竜王が、アンデッドになった理由って、なんなのかなって・・・」
疑問を浮かべた、サトル=モモンガに、一同が驚いて、毛皮を梳くピンクの触手も止まっていた。
ドラゴンに寿命は無く、増大する巨体と、向上する能力は止まらない。
魔法のようなスキル、「
「負けたからではないかの・・・族長殿」
触手から逃げ出した、賢狼が、サトル=モモンガに応える。内陣と外陣は、グラズン・
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