自転車のタイヤ
ヤマシタ アキヒロ
自転車のタイヤ
もし自転車のタイヤが
三角だったら
「おっ、はあ、よよ、うぅ
ご、ご、ざあ、いい……」
うまく挨拶ができない
もし自転車のタイヤが
ヘビだったら
「シュル、シュル、クネッ、
クネッ……」
思った方向に進めない
もし自転車のタイヤが
お掃除ルンバだったら
「どうぞお先に。清掃中」
路肩がキレイになってしまう
もし自転車のタイヤが
バカボンの渦巻きだったら
「タ、タ、逮捕するー!!
ババーン!」
お巡りさんに追いかけられる
もし自転車のタイヤが
フラミンゴだったら
「ZZZZZZZZ……」
片足立ちで寝てしまう
もし自転車のタイヤが
そば屋の出前だったら
「いま出発しました!」
まだそばを茹でている
もし自転車のタイヤが
闘牛の牛だったら
「ジャンジャカ、ジャン、ジャン、
オーレイ!」
赤信号に突っ込んでしまう
もし自転車のタイヤが
わんぱく子象だったら
「パオ、パオ、バッシャーン、
ドビシューッ!!」
沼地で水遊びをはじめる
やっぱり自転車のタイヤは
丸いのがいいなあ
チリン、チリーン……
(了)
自転車のタイヤ ヤマシタ アキヒロ @09063499480
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます