東の仙人

 わたしとリチャードがひんしつもどると、メアリーさま姿すがたく……

 とうさまやシュウもなかった。


 ――あれ、みんないない?


「ストナさがしにったのかな?」


 すここまっているわたしに、リチャードがそうはなけてた。


すこってましょう。そのうちだれもどってるだろうし」


 そうったわたしはリチャードからはなし、ソファーにすわる。

 そしてリチャードにかってく。


「ねぇリチャード」

なに?」

「さっきはなしてたエリザベスって、どんな?」


 するとリチャードはすこれながらはなはじめる。


すごじんでガンバリなんだ」

「どれぐらい?」

きみがウンディーネなら、かのじょがみさまぐらいかな」


 ――ゲームないでもずかしい台詞せりふひとだったけど……

 ――このときからこんなことなんだ。


 とかんがえる わたしこころとはべつに、おとことおまわしにじんわれ、ボクはずかしさのあまことうしなった。


「そうだ、アストライアはなにしているときき?」


 リチャードにそうかれ、ボクはわれかえすこかんがえる。


 ――ボクはシュウとチャンバラとかするのがきなんだけど……

 ――わたしほんんだり、いたりするのがきなのよね……

 ――リチャードのせいかくかんがえたら、ボクのきなことしょうじきってももんだいなさそうだけど……


「ヒ・ミ・ツ」


 ボクはがおでそうかえし、すこわることかえす。


「それとわたし、どれくらいガンバリいたんだけど」


 するとあんじょう、リチャードはぶんしっぱいいたのか、ひらいてかたまってしまう。


 ――やっぱりてんねんはつげんだったんだ、アレ。


「フフフ、ねぇリチャード。こうにいたらおうきゅうあんないしてくれない? もちろん、エリザベスといっしょに」


 わたしがそううと、リチャードはうれしそうにへんをする。


「うん」


 そしてことつづける。


「それじゃわりに、ストラがリブラきゅうあんないしてくれる」


 ――エリザベスにベタれだとおもってたけど、がいわたしせっきょくてき


 わたしはソファーからがり、カーテシーをおこなう。


よろこんで、おうさま。ただしメアリーさまもどってあとわたしないこと

かったよ…… はやもどってないかなははうえ


 リチャードがそうったしゅんかん……


「それならってなさい」


 とつぜんひんしつはいってとおさまがそうった。

 わたしおどろいてう。


とうさま!」

わたしへいはなしておく。かのじょもそれをのぞむだろうし」

「でも……」 

「おまえげんったんだ。いままでしんぱいしていたわたしに、げんともだちあそ姿すがたせてくれてもいだろう?」


 わたしおもう。


 ――たしかにそうね……


 わたしはリチャードにみぎし、がおう。


きましょうリチャード。リブラきゅうあんないしてあげる」


 われたリチャードはすこまどったが、わたしった。


 ――こっちのおやぐらい、しんぱいさせないようにしないと。


 わたしはそのままリチャードをれ、ひんしつあとにした。

 しばらふたあるいていると、はいからろうじんこえがする。


約会デートちゅうしつれいいたします、ティエン


 わたしたちかえると、其所そこにはせんにんってた……

 いや、その姿すがたにはおぼえがる。


 ――たしか、こうりゃくたいしょうこうかんおしえてくれた……


「リブラのジィンジュ―アストライア。キャンサのロン タオいます」


 タオはそうあいさつをしながらきょうしゅをした。


 ――うわ、きょうしゅとかなまはじめてみた。

 ――ん、ちょぅとって……

 ――たしかこのひとは……


 わたしはわざとこわがるりをしてはなし、リチャードのかげかくれた。

 そのようたリチャードがタオもんう。


タオどうむかえのかんにはまだはやいようですが?」


 するとタオこうしゅめ、がおつくるとあわてたようへんをする。


「リチャードさま、そうおこらんでれ。エリザベスさまよういとわれてな。すこはやただけじゃ」


 そしてわたしちかくと、何所どこからともなくももわたしした。


 ――タオうキャラは、たましいことる。

 ――つまり、いまわたしじょうたいかいしているのうせいたかい。

 ――まぁつう、あんなあいさつしないだろうし……

 ――ひゃくパーセントあやしまれてるわよね……


「アストライアさまこわがらせてもうわけありません。びにげましょう」


 ――このきんぺんももそんざいしない。

 ――つまりいちばんぜんかいとうは……


 わたしももると、そうにれいう。


「ありがとう。こんなおおきなプラムはじめてた」

「それはももう、あまくて美味おいしいくだものですよ」

「そうなんですか?」

ひゃくぶんいっけんにしかず。ちゅうぼうください、わたしかわいてしあげよう」

あんないいたします。此方こちらに……」


 そうってあるわたしあとを、ふただまっていてくる。

 そしてちゅうぼうくと……


タオどう?」


 ちゅうぼうたメアリーさまが、タオおどろいた。


むかえにはまだはやいとおもいますが?」


 メアリーさまがそううと、タオがおせつめいをする。


「いや、エリザベスさまたのまれてていさつにな。まぁ貴女あなたみずかむかえにむすめ、あのにしないわけがない」


 そのことにメアリーさまかるあたまかかえた。


「あのはもう……」

「そうもうすな…… それよりももりたいのだが、ほうちょう何所どこに」


 タオがそうったので、わたしももタオかえすとほうちょうってタオわたした。


「どうぞ」

「かたじけない、ればおさらも」

「はい」


 ボクはへんをしておさらようし、テーブルのうえく。


「それではあぶないから、すこがってもらおう」


 タオことにリチャードはあわててボクのき、テーブルからはなす。


「ストラ、これからおもしろいモノがられるよ」


 うれしそうなリチャードをに、メアリーさまげんかおをしている。


タオどう、こんなせまところあぶない」

わたしだれだとおもおておる、くぞ!」


 そうったタオは、ひだりてにったももみぎったほうちょうてんじょうげた。

 そしてりょうひとゆびなかゆびをくっけたピースサインにして、ちゅうよううごかす。

 するとももちゅうまり、そのももほうちょうきざんでく。

 しかしもも姿すがたわらない。

 ほうちょうタオもどってると、ももさらうえち……

 こうそくかいてんしながらかわがリンゴやジャガイモのかわようけてき、たねきずのままよっつにれた。


 ――うゎ、ほんちゅうアニメのギャグびょうしゃみたい。

 ――いやって……

 ――もしかしてわたしためされている?

 ――タオわたしおとこことってるはずだから……


「すごい。ねえタオさん、それどんなほう?」


 わたしおどろいたりおしてそうたずねた。

 するとタオほうちょうをテーブルにき、がおこたえる。


「これはほうではなく、せんじゅつう。れんしゅうすればだれでも使つかえなくもないが、きょうりかな?」


 するとはなしをいていたリチャードがう。


「ボクとエリザベスもれんしゅうしてるんだ。からだじょうるんだって」


 ――たいきょくけんみたいなのしてるのかしら?


「それじゃあわたしもやる」


 ボクがそううとタオかおをする。


「なれば、これからはわたしことどうびなさい。どうとはせんせいことだ」

「はい、タオどう


 かおでボクがそうへんをすると、タオどうがおこうしゅをしながらう。


こんわたしへのあいさつはこうしなさい。じゅぎょうときだけでいから?」


 ――じゅぎょう


 ボクがもんおもっていると、いままではなしをいていたメアリーさまがボクにう。


「アストライア、貴方あなたには明日あしたからリチャードやエリザベスといっしょべんきょうしてもらいます。エリザベスのはなしをリチャードからいているならちょうい。エリザベスとなかくね」

わたしたんとうくすりしきけいさんじゅつじゃ」


 つづけてタオどうがそううと、リチャードがさらつづける。


こくれきほうはアルウィンておんなせんせいだよ」

「そのことなんだけどリチャード、アルウィンせんせいにはれきせんせいりてもらことにしました」


 メアリーさまことでリチャードはメアリー様のほうく。

 そしてそうにかえした。


「それはかったけど、じゃぁれきだれからならうの」


 するとメアリーさまはクスクスわらい、ちゅうぼうそとせんけた。


かくれてないではいってらっしゃいシュウ」


 そのことおうじて、シュウがちゅうぼうはいってる。


きで、じょうおうへい

「だって、かげえたから」


 メアリーさまがそうたのしそうにうのとはべつに、タオどうおどろいたようだった。


「まさかわたしはいかないとは」


 タオどうがそううとシュウがこたえる。


「カガミツルギのにんじゅつです。ロンファのかたにそうわれるなら、こうえいでしょう」

たしか、じょうほうしゅうしゅうとっせんじゅつだったか? ロンい、シュウ殿どのこんともよろしくたのむ」


 タオどうがそうってあくしゅもとめたので、シュウはそのった。


此方こちらこそよろしくおねがいたします」


 そうわったシュウは、リチャードにけてあいさつをする。


はじめましてリチャードさま。アストライアさまのバトラー、シュウでいます。明日あしたかられきにんじゅつきょういたします」


 ――そうえばリチャードはシュウのおいか……


 わたしはメアリーさまおもう。


 ――ぶん、メアリーさまていあんね。

 ――かんがえだとはおもうけど……


「シュウ、にんじゅつおしえてくれるの?」


 ボクはおもってシュウにいた。

 するとメアリーさまがそれにこたえる。


「シュウにいたら、なないためじゅつるみたいだし」


 ――つまりせいぞんりょくげるためか……

 ――そうえばリチャードもアストライアも、せんとうパートでめちゃくちゃかいやカウンターはつどうしてたな。


かりました。それと…… あの、そろそろももべていですか?」


 ボクはメアリーさまにそうしつもんをした。

  しずとしてももあじっている。

 でもアストライアとしてももべたことい。

 めちゃくちゃべてみたい。


「そうね、せっかくタオどうくださったんだし。リチャードといっしょべて」


 メアリーさまがそうったので、ボクはももったさらちかき、ももひとった。


「ストラさまきゃくじんまえでレディがはしたない!」


 はいからシュウのおこったこえこえたけど、いまにしない。


 ――美味おいしい!

 ――かんめやスーパーのももとはかくちがう……


すご美味おいしい。タオどう、ありがとういます」


 わたしれいうと、タオどうとうぜんようしんまんまんへんをする。


とうぜんいちぞくせんようりゅうつうさせてないものなのだから」

「それなら、わたしべたいわ」


 メアリーさまうれしそううと、シュウがすここまった調ちょうつづける。


「メアリーさま貴女あなたあとけんじょうしてもらってください」

「そうことでしたら、おうきゅうもどったあとけんじょういたしましょう」


 がおタオどうがそうったのをいて、わたしかんがえる。


 ――そのときわたしこと、メアリーさまはなかしら?


「それとメアリーさま


 タオどうことつづけた。


なにかしらタオどう

「アーサー殿どのはなしがしたいので、わたしはこれでしつれいいたします」


 ――いや……

 ――さきに、とおさまわたしことたずねるか……

 ――それなら……


「それならわたしいっしょきます。とうさまにきちんとあいさつしておきたいし」


 こうしてわたしは、タオどういっしょとうさまもとかうことめた。



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