魔法の短剣

 そしてわたしタオどういっしょに、ひんしつもどってた。

 ひんしつにはソファーにすわったとおさまて、タオどう姿すがたつけるとがり、あくしゅもとめながはなけてた。


「これはタオどうむかえにはすこはやようだが、なに其方そちらもんだいでも」

「いや、エリザベスさまよういとせっかれてな」

如何どうすわください。いまちゃれてますので」

「いやよい。このくにちゃにおいはいが、くちにはわんからな。それよりちゅうぼうでメアリーさまったが、かのじょはなんで彼処あそこに」


 そうわれたとうさまかおをしてこたえる。


「さぁ?」

「そうだとおさま!」


 わたしはそうあかるくった。


なんだいアストライア?」

「さっきちゅうぼうタオどうせんじゅつせてもらったんだ」


 わたしこととおさますこかんがえ、わたしたずねる。


どうことは、タオどうくすりつくかたじゅつならうのか?」


 ――そうえばどうってせんせいってだっけ……

 ――ん?

 ――て、ことはもしかして……


「もしかしてとおさまもメアリーさまも、タオどうならったことるの?」

わたしすこおしえてもらっただけだと、タオどうぞくあいだではゆうめいなんだよ」


 とおさまがそうせつめいすると、タオどうすこいやそうなかおう。


ってたいはんは、けっとうやモンスターにちたい大人おとなしかおらんから、けっこうかなしくわるが」

「だからわたしたちじゅつおしえてるんですか?」


 ボクはほんしんタオどうにそうたずねた。

 するとタオどうがおこたえる。


「そりゃ、めいかねるのなら、どもすこやかなせいちょうてたほう身体からだいからの」


 ――なんかふくみのかただなぁ……


 わたしがそんなことおもっていると、とおさまがおタオどうう。


「さて、そろそろほんだいはいりましょうか」


 そしてしんけんかおことつづける。


けんばなしをするならアストライアはいらないはずだ。貴方あなたちからならわたししょかるし、アストライアがしたとしても、大人おとなけんばなしどもじゃだからつうことわる。おなじくアストライアがわかれのあいさつをしにるとしても、かんはやきて貴方あなたつうことわはずだ」


 ――われてみればそうか……

 ――つまりわたしめられたわけだ。

 ――つう、このじょうきょうならい……

 ――まぁ、わたしかいさくるからいてたんだけど。


「なら、そっちょくおう」


 タオどうは、かおこえでそうった。


 ――!


 そしてわたしからだちゅうく。

 わたしタオどうほうくと、タオどうわたしせんじゅつけていた。


 「とおさま!」


 こえるしくびまわるけど、それがいうごかない。


「アーサー。おまえすえむすわたしところたましいふたる。このようわけからないどもを、エリザベスさまちかくにわけにはいかん。このじょうきょうきちんとせつめいなければ、わたしちからけんりょくってこんかいはなしはくもどしてくれる」


 ――つまりゆうは、エリザベスをけんわせたくないか……

 ――おもってたより、エリザベスにじょういてたんだタオどう

 ――なおさらエリザベスにってみたくった……

 ――よし!


 わたしけつかため、うそことめた。

 しかしつぎしゅんかんとうさまわたしき、がおをボクにせる。


「アストライア。かった、ソフィアがたましいっておまえまもってれているぞ」


 ――え!


 わたしはそのうそで、タオどうだまそうとした。

 このかいにもじゅきょうそんざいし、げんじつかいちゅうそうとうするロンファまれたタオどうは、そのおしえにもとずいてきている。

 だからぞくたましいちかくでまもっているとへば、タオどうなっとくするだろうわたしかんがえていた。

 でもボクはだいことわすてれいた。

 とおさまは、ボクじょうかあさまだいきだったこと

 リブラきゅうさいきんんだのはかあさましかいない。

 そのじょうたいどもべつたましいえるとわれたら、だれもがさいあいつまだとおもうだろう……

 くと、からだめんりていて、からだゆううごく。


とおさまかないで、そんなかおしていたらかあさまかなしむから」


 これはボクのほんしん

 とおさまいたかおはじめてみた。

 そうしきでもかなかったのに……


まないふたとも。アーサー殿どのとおり、アストライアからかんじるたましいはソフィア殿どののモノだろう」


 どんなかおあやまっているのかはからないけど、そのこえからはもうわけなさがつたわってる。


 とうさまう。


「キャンサはくしゃくわるいがすこせきはずしてくれ」

かった。ほんとうまない」


 タオどうがそうったあと、ドアのまるおとこえた。


「アストライア。いまことはジョンにはないしょにしてくれ」


 なみだき、とおさまはそういながらボクからはなれた。


かった」


 ボクがそううと、とおさますこかおはなしをつづける。


「それともうひとつ。おまえたのみがるんだが、いてれるか」

みつはなし?」

「いや、はなしてもかまわない…… いや、るだけにんにははなさないでしい」


 ――なんだろう?


「うん」


 ボクがへんかえすと、とおさまはボクをれてしょさいかう。

 そして其所そこわたされたのが……


とおさまなにこのたんけん


 ――ダガーだよね、これ?


 さんじゅセンチほどそうしょくさやいたダガー。

 さやあかきんいろそうしょくほどこされ、つばつかはリブラしょうちょうするてんびんのデザイン。


「そのたんけんは、わたしるモンスターをたおしたけんくだいてつくったものだ。おなものをジョンもっている。ほんとうはおまえほうがっこうにゅうがくするときまもりとしてわた心算つもりだったんだが……」


 とうさまはそこまでうと、ものすごずかしそうにことつづける。


わたしたましいこもったたんけんを、おまえいたソフィアのたましいちかくにおてしい」


 ――つまり……


ぶんわりに、このたんけんかあさまたましいちかくにきたいってこと?」


 ボクがすこかいしていないりをしてそううと、とおさまずかしそうにへんをする。


「そのとおりだ」


 そんなとおさまに、ボクはもんおもったことく。


「それはいけど、おんながこんなのってたらあやしまれない?」

「それはもんだいない。わたしまもりとしてわたしたのだから。それとそのたんけんはソフィアとわたしりょくめられていて、たいはらってめいれいめれば、そのめいれいをこなしてれる」


 ――このたんけんはゲームにてこなかったけど……


たいってなに?」

「そのたんけんにおまえあたえられるものだ。まずはまえあたえて、んでもともどってようめいれいしてみなさい」


 ――まえか……


きみまえはカームシルフィード。まえわりに、ボクがんだらボクのところてね」


 ボクはカームシルフィードにそうめいれいすると、かのじょとおさまわたした。

 そしてとおさまからすこはなれ、みぎひらうえにしてかのじょぶ。


もどっておいでカームシルフィード」


 するとかのじょはボクのみぎしゅんかんどうしてた。


 ――これがゲームでよくる、マジックアイテムとやつか……

 ――きで、ぶんまえからけちゃったけど……


すごい、ほんとうもどってた」


 ボクは……

 いやわたしおどろいてそうつぶやいた。

 わたしはともかく、ボクもマジックアイテムははじめてた。


さやわたしりょくえなければはずれない。もしなにおうきゅうにんげんもんわれたら、おうきゅうのおまえにでもいておいてくれればい」


 とおさまがおでそううと、すこかなしいかおことつづける。


わたしはおまえおくりにはけない。タオどうづかしくてかおわせられない」

とおさま……」


 わたしとおさまことすこあきれてそうつぶやく。


ひまときたまかえっててくれ。おまえたちきなレモンドリズルケーキをつくってってるから」


 しかしとおさまがおでそうことつづけたので、ボクもがおへんかえす。


「うん」

「ではアストライア、そのけんわたしおくりにけないこと。おまえがきちんとへいせつめいるか」


 とおさましんけんかおでそういてると、ボクもかおへんをする。


「もちろん。それではってますとおさま

ってらっしゃいアストライア。大人おとなとケンカをしたときわたしいなさい」

「はい」


 ボクはそうってしょさいちゅうぼうもどった。

 ちゅうぼうにはメアリーさま、リチャード、シュウがっていてたが、タオどうない。


 ――あれ……


タオどうは?」


 そうボクがたずねるとシュウがこたえる。


もどってていませんよ」


 ――何所どこったんだろう?


 そんなことかんがえながら、ボクはさんにんひんしつでのことと、カームシルフィードにいてせつめいをした。


「それは、タオどうもどってづらい。わたしさがしてますから、みなさんはていえんどうしていただけますか」


 シュウがそううと、メアリーさまかえす。


「あら、如何どうして?」

「ついでにしのじゅんいたします」

「あぁ、それならわたしタオどうさがします。アストライアはリチャードのあいねがる」


 ――そうことか。


 わたしたりこうどうかいし、リチャードにかってべる。


きましょうリチャード。ていわったけど、あんないつづき」


 リチャードはすこげんそうにそのり、ボクたちていえんへとあるした。


 ――たしかに、しのじゅんをリチャードにられたらこまるもんね。

 ――ボクのおんなじゃないし。

 ――リチャードがげんそうなのは……


「リチャード、なにげんそうね」


 わたしあるきながら、リチャードにそうたずねた。


「そんなことないよ……」

ほんとうに?」

「…… …… …… 」

「メアリーさまに『アストライアはリチャードのあいねがい』てわれて、ちょっといじけてない?」


 わたしのそのことに、リチャードはすこおどろいたかおをする。


「よくかったね?」

「あれはホストがきゃくをもてなしてってことで、おなどしおんな貴方あなたあいたのんだわけじゃないわ」

かってるよ」


 リチャードはぶっきらぼうにそうこたえた。


 ――まぁボクも、かあさまからおなことわれたらプライドボロボロだけど……

 ――わたし……

 ――しずきなリチャードはそんなおとこじゃないし。


「そうだストナ。おにごっこしない?」


 すこいてリチャードがそうていあんしたので、わたしおもかえす。


「いきなり如何どうして?」

にしないで、それともうんどうきらい?」

「うんん。それじゃはやていえんきましょう、シュウがれしててとてもれいなのよ」


 わたしはそうわるとリチャードのいて、あかみだれるていえんれてった。

 そして其所そこでアストライアとしてははじめて、しずとしてはしょうがくせいぶりにおなどしどもぜんりょくでおにごっこをした。

 そしておおきなトネリコのしたで、きゅうけいすることった……



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