こんな仲間と巡り合えたら、冒険も悪くない♪

『レベル1冒険者と行くやさしい魔窟<ダンジョン>探検』は、戦うだけが冒険じゃない――そんな“優しさ”を軸にした、ちょっと変わったファンタジーです。

主人公のアレクは、稼ぐために冒険者になったばかりの14歳。
ところが彼の仲間になるのは、
・機械音痴なのにどこか只者ではない “通りすがりのおっさん”
・見た目だけ美少女な詐欺級魔法使いのおばあさん
・神の導きを頼りに昼寝ばかりしている神官
というクセ強めの三人組。

この“ダメそうで頼れる”大人たちと共に潜る新ダンジョンが、とにかく面白い。
戦闘シーンは迫力がありつつも、ただ敵を倒すのではなく、魔物との関わり方に独自の優しさや知恵があって、読んでいて心があったかくなるのが本作最大の魅力です。

アレク自身も、未熟ながら真っすぐで、読者と同じ目線で「冒険」と「世界の秘密」に近づいていくため、非常に感情移入しやすい主人公になっています。

そして本作のもう一つの良さは「1話あたりの文字数がほどよく、テンポ良く読み進められる」 こと。

長すぎず短すぎず、ちょっとした空き時間に1話だけ読んでも満足できる構成♪
読者としてはとてもありがたいスタイルです。


戦わない冒険があってもいい。
弱いと思われている人が、誰かを救う強さを持つこともある。

続きが読みたくなる、温かくて不思議なダンジョンファンタジー。
とてもおすすめです。

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