第5話

「…お兄ちゃん?」


箸を置き、茶碗を少し片付け始めるお兄ちゃん。



「え、どうしたの?」


「食欲無くなっちゃった。洗濯物畳んでくるよ。食べ終わったら流し場に置いておいてね。…呉々も皿洗いとかしないでね」


「えっ。お兄ちゃん!」


「ん?」


「そ、そんなに嫌だった…?私が家事するの、、、。確かにやったこと全然ない、もんね。迷惑かけちゃうか…。ごめん」


「芽流が家事やったことないから断ってるんじゃないよ。心配しないで?」


「でも」


「…俺は芽流のために家事をするのが好きなんだから、いいんだよ。芽流が家事なんてしなくて」


「…うん。ごめん。いつもありがと」


「そう言ってくれると嬉しいよ。じゃ、ゆっくり食べてね」


「…うん」



お兄ちゃんは食器をテーブルに置いたまま洗濯物を畳に向かった。

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