あの夏雨の夜に君を想う。
@matigae
雨。
ぽつ
ぽつ
・
・
・
・
ぽつ。
雨が降る。
あの日君と出会った夏もこんな雨だった。
君は僕の前に突然現れた。
僕のことをよく「敦くん」と呼んで。
暑い夏の中でよく行く駅で待ち合わせをして
二人でアイスを買った。
そのアイスの味は今も忘れたことはない。
君が突然現れた日、ぼくは死のうとしていた。
漠然とした想像できない未来に絶望していたから。
毎日生きるのが辛くて、どこか遠い場所に逝きたかった。
前世は鳥になって大空を駆け巡って
今よりも気持ちよく生きるんだって。
意味わかんないことを考えながら、
いつもの屋上から飛び降りようとしていた。
その時だったね。
君が現れたのは・・・。
僕のことを「敦くん!」と呼ぶ君は、どこか不思議だった。
「はじめまして。」なのに。どこかで会ったことのあるかのような君に
僕は惹かれていたのかもしれない。
これからの君との長いようで短い夏が
始まろうとしていることをこの時の僕は知る由もない。
あの夏雨の夜に君を想う。 @matigae
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