建物編 アンサー

「RPGやナーロッパの街などでよく見る、あの建物(家)はなんだ?」


 と、いくら検索で調べてもよくわからなかった私。ついに建築系の本を購入し、調べることにしました。

 そこで私は、「建築様式」という言葉に当たります。

 私が調べたいのは「建築様式の名前」だろう、とアタリをつけてみました。けれど、一向に出てくる気配がありません。

 有名な「ロマネスク様式」や「ゴシック様式」など、石の建築物が多いヨーロッパ。というかこれらはどちらかと言えば宮殿や教会のイメージ。街ではありません。


 ダメ元で「ヨーロッパ 建築様式 木造建築」で調べてみると……



 一発で出ました。

 私の苦労はなんだったのか。




「ハーフティンバー様式」

建物の木材を外に露出させた建物の様式、および技法。

ドイツやスイスを中心に、欧州に広まった。

15世紀(イギリスではテューダー朝に流行したことから、テューダー様式に組み込まれている)に流行し、主に住宅や民家、別荘などに使われた。一般的な農家から上流貴族まで幅広く使われていた。



 というわけで、田鶴さま、maru様、碓氷シモン様、大正解です! おめでとうございます!!

 私よりくわしい説明をされているので、興味のある方はぜひ前回のコメント欄をご確認ください!


 田鶴さまが指摘した通り、ハーフティンバーは英語読みで、ドイツ語は「ファッハヴェルクハウス(Fachwerkhau、木組みの家)」と呼ぶそうです。

 あえて日本語にするなら、「洋風木組み」なのでしょうか。日本語版Wikipediaがそう言っている。

『知のビジュアル百科 世界の建物事典』(作フィリップ・ウィルキンソン、日本語版監修鈴木博之)には、「木骨造家屋」と書かれていました。ゴツイね。


 前回の帽子編でいくつか「名前を調べても、それで読者がわかるかわからない」というコメントをいただきました。これ、その最先端だと思います(苦笑)。

 小説で書く時は、「木組みの家」ぐらいでいいのかもしれません。でもそれだと単なる木造建築と思われて難しいな。

「漆喰(レンガ)の壁の上に、柱や梁などの木組みが見える、特徴的な建物」なら、いけるかな?


 ちなみに、③の「‪✕‬を描いた木材」は「筋交い」と言うそうです(単に斜めになっているだけのものもある)。




「筋交い」

柱と柱の間に斜めに入れて建築物を補強する部材。

建て込んだ街中ではスペースが狭いため、二階以上の建物は筋交いが組み込まれていた。



 なお、二階を広くするために「オーバーハング(張り出し、jetty)」が備わった建物があるのですが、これは富裕者たちのステータス・シンボルだったそうです。



「オーバーハング」

建物の上部が下部よりせり出している部分、あるいは作り方。



 また、間柱の間隔が狭いほど、つまり木組みのフレームが沢山見えるほど、お金持ちを意味していたんだとか(『建築知識2021年12月 洋風住宅・洋館の用語図鑑』によると、建物の構造上に意味はないそうです)。

 イングランド北西部の「リトル・モートン・ホール」は、まるで織った布の模様のように沢山の木組みが見えるのですが、とってもお金持ちだということですな(「Little Moreton Hall」で検索)。

 他にも、よく見たらさまざまな装飾が施されていて、これも金持ちとしての象徴だったそうです。

 きっと「うちの家の方が立派」「いやいやうちの家の方が金がある」と競い合っていたんだろうなと思います。住宅地で見れるクリスマスのイルミネーションみたい。


 物の名前を知るということは、そこに歴史や人の想いを知るということかもしれないな、と思った調べものでした。



【今回の話に役に立ちそうな本】

フィリップ・ウィルキンソン、鈴木博之『知のビジュアル百科 世界の建物事典』(あすなろ書房)

(私が持っている本は2005年版なので、手に入るとしたら古本か、あるいは図書館で読むかになるかもしれないです)


澤井聖一『建築知識2021年12月 洋風住宅・洋館の用語図鑑』エクスナレッジ社

(ハーフティンバーを含んだテューダー様式のことが詳しく書いてあります)


マシュー・ライス、中島智章(監修)、岡本由香子(翻訳)『英国建築の解剖図鑑』エクスナレッジ社

(英国建築の「あのパーツの名前なんだっけ」がズバリわかる本です。マシュー・ライスさんの本は他にも面白そうな英国建築関係の本があるようなので検索してみてください)


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