第12話 稽古①

翌日家の裏にはまだ太陽も出ていないような時間に稽古が始まった1か月しか無いので早足で進めて行くそうだ


まだ薄暗い裏庭1日目が始まった

父は静かに木剣を構え、俺に言う。


「体が基本だ。体力がなければ技も生きん。今日は受け流しを覚えろ」


最初に朝の時に受け流しのやり方を教わってその後は基礎体力を夜まで休みながらやった、


夜には受け流しの練習をした剣や槍と弓などなど一通り何度も父の攻撃を受け流すうち、手の感触と動きのリズムが少しずつわかってくる


「まだまだだな」父の言葉に悔しさが胸にこみ上げて来るが初日からなかなか楽しかった


2日目は足さばきと回避の強化の練習


「足元が悪いと攻撃も防御も駄目だ」

との事なので俺は棒を構えながら待っていると
父の棒が次々と迫る。体の重心を意識しながら動くと、以前よりスムーズにかわせるようになった


今日は朝に足捌きをやり夜に回避力を鍛えて持った


「よし、動きが軽くなったな」


お世辞程度の褒め言葉だろうが、嬉しさが込み上げてくるのは止められない


3日目はモンスターの攻撃パターン入門らしい

朝の稽古時間にどうゆう事と尋ねると


「狼型モンスターは俊敏だ。連続で攻撃してくるが、スタミナは低い」


「人型は知能が高く戦術的行動とってくるが、人間ほど複雑な戦術は取ってこない」


などなど基本の行動や対処法を実践付きで教えてくれた

父が模した素早い連続突進を受けながら、相手の動きを観察それを夜まで反復すると


「つまり、動きの後半に隙がある?」


「そうだ。その瞬間を見逃すな」



4日目は昨日のつつきで攻撃のタイミングを掴むことだ


「攻撃は受け身だけじゃ駄目だ。反撃のチャンスを作れ」


確かにと感じた相手の行動がわかっていても攻撃を入れるタイミングを知らないとそもそも戦闘にならない


父の攻撃をかわしつつ、小さく突きを返すり薙ぎ払いをしたりと一通りのタイミングを教えてもらった特に印象に残ったのは魔法の単発と範囲攻撃のタイミングの違いに驚いた


「いいぞ、その調子だ」


5日目は防御から攻撃への切り替えと盾についてだ
「防御は攻撃の一部だ。受け流したらすぐに反撃」


父の目が真剣になる。少し怖さも感じる


「この厳しさが俺を強くするんだ」


それに加え盾の使い方をを教えてもらった

盾は攻撃を受けるだけじゃなくて適切な角度でタイミングで弾けば立派な攻撃(武器に)なる


なかなか極まった使い方と感じた



6日目には属性攻撃の基礎知識を教えてくれる


「毒や炎、雷などの属性攻撃には特別な注意が必要だ」


これに関してはゲーム知識が役に立ったそれとこの世界の認識の違いも知れて有意義なものだ


俺は説明を交えながら、木剣での動きを示す


「無理に受けずに距離を取ることも重要だ」


「わかった。逃げる勇気も必要だね」


もちろん危なくなったら逃げるに決まっている

当たり前だけど死にたくないのからな



7日目は状態異常と耐性について

「状態異常は戦いの中で最大の脅威だ」 
父が言う。俺はじっと聞き入る。


やはりこの世界でも異常状態についはかなり警戒されているらしいまぁこの世界由来のスキルがアレじゃ無理もないか


「耐性を上げるために薬や装備も使え。だが一番は回避だ」


「薬も大事だけど、自分の動きで防ぐのが基本か」


そうなるよなそもそも攻撃を受けないが一番だその後も異常状態になってしまった後の対処法も教えてくれた、今日はほとんどが座学だった


8日目にはモンスターの行動パターン応用ときたモンスターの攻撃パターン入門とは違い更に深掘りした内容になっている


「モンスターはパターン通りには動かないことも多い」


父が攻撃の速さや角度を変えてくる時に大きく飛んだりフェイントや敢えて軽い攻撃で誘導

更には走る速度変えてリズムを崩される


(ボコボコにやられました)


「油断するとすぐにやられる」


「相手をよく観察し、変化に対応しろ」


そう言われて考えさせられる事の多さに驚いた

ここまで言われて最後には勘と予備動作で判断しろと言われ更に唖然とした


9日目は実践的な動きの練習が入ったコレもかなりキツイ、ここ3日目くらい座学が中心だったからなしかも父もかなり本気になってきた


「理論だけじゃ駄目だ。身体に覚え込ませろ」

地獄の始まりの合図だった連続攻撃の中で受け流し、反撃を繰り返すそれでもほとんど反撃になっていないのか体に攻撃が当たり続ける


「動きが滑らかになってきたな」


父の評価に胸が熱くなる頑張っていてよかったとそう思える



10日目、精神力と集中力の鍛錬、所謂我慢強さってやつだ少し違うかも知れないがスナイパーが獲物を待ち続けるような物他もしれない


「戦いは体力だけじゃない。精神力が勝敗を分けることもある」


父はじっと俺の目を見つめて言う


「集中を切らすな。恐怖や焦りは敵の思う壺だ」


そう言って目隠しをして攻撃を受け続けた
俺は心を落ち着かせ、呼吸を整え次に備える


「ほう、勘が鋭いな」


そう父は言っていた本当はスキルがあるからだが言わないでおこう



11日目対人戦闘の基本を教えてもらう事となったここら辺はゲーム知識はあまり役にはたたない何せスキルやアイテムの対処法を知っていても行動の対処法を知らないからだ


「人間相手は駆け引きが全てだ」


そう言われ俺は集中する父は静かに説明する


「相手の動きを読み、フェイントを使え」


俺は父の動きを観察しながら反応する。初めての対人戦闘と言う事も合間ってグダリにグダ付いたそれに言葉やアイテムを使った戦法は本当に厄介で鬱陶しいと感じた


(結論 めーっちゃウザイ)


12日目は心理戦の初歩昨日の内容を更に深掘りした内容だ


「挑発や沈黙も武器になる」


父が無言で間合いを詰めてきて、妙な圧に息が詰まる沈黙で向かい合っているだけでこんなにも戦いづらいと思わなかった


自分じゃ父勝てないとわかっているから余計に辛い、これが精神力と集中力を先にやっていた理由なのだとわかった


(いきなりコレを耐えろ、やって見せろと言われてもできなかっただろうな)


13日目フェイントの使い方これはいろんな物応用出来そうと言うのが最初の感想だった


「攻めるふりをして守る、守るふりをして攻める」


「逃げるフリして罠を作っていたり誘き出したりな」


父が何度もフェイントをかけ、俺は見極めに集中していた父のフェイントを受けるのと繰り返し頭でイメージしながら反復練習しながら


夜にも同じように父の攻撃を見極めていたら

稽古が終わっていた


最後にやはりコレは色んな事に応用が効くと確信したスキルや魔法そして心具にだって



14日目に視線と動きの連携、全く意識した事のない行動だっただが確かに目線で行動がバレるって言うのはあり得そうだ


「視線で嘘をつけ。狙わない場所を見るんだ」


目の動き一つで父に引っかかる瞬間を感じた


ただの目の動きしかし戦闘中は空いてから目を話さないからどうしても引っかかってしまう


新しいことを取り入れたせいか動きがガタついてしまう


「まぁ…慣れろそれが確実だ」


「わかったよ」


やはりどうしても一丁一席にはいかないよな


15日目はいよいよ心具の基礎知識についてだ

この世界とゲームの違いがわかるかもしれない


心具とは心を具現化した武器のことだ俺も自分の心具は知っているが使っていない力だ


「今日からは――心具の話だ」


父の声は低く、けれど妙に重かった。
俺は無意識に背筋を伸ばす。


「まず心具は魔法と合わせて使ってくる。特性を見抜け」


そう言いながら、父は一本の剣を持ち上げる。
刃は淡く輝き、握り手には見慣れない紋様が走っていた


(……ゲームで見た“火炎剣”に似てる。でも、何か違う)


父はそのまま片手で振るうと、剣先から火花が走った。
次の瞬間、刃が赤熱し、空気がじりじりと焦げる匂いを放つ


「これが“火炎剣”……じゃない“焔咬(えんこう)”だ私の場合は感情が色濃く出るものだ」


 ゲームじゃボタンひとつで効果が出たろう? だが現実じゃ違うそれに

使用者の感情や集中が、特性の発動に直結する


「感情……?」

「そうだ。怒りで強まる者もいれば、冷静さで安定する者もいる特殊な人なら不幸な状態が良いだったり混乱している時が一番安定している奴もいる」


そう言い父はさらに二つ、別の心具を取り出した。ひとつは銀色の剣、もうひとつは黒い短剣


「見た目や名前に惑わされるな。同じ形でも持ち主が違えばまるで別物だ、心具の“効力”は魔法との組み合わせで倍化する。だから特性を読むのが生死を分ける」


「この顕現させた剣 銀色方はただ心具の力だけだが黒い短剣は心具と魔法の複合だ心具の能力を暴いてもこうして見た目だで判断は出来ない」


(……つまり、ゲームに載ってたプレイヤー情報だけじゃ足りないってことか)


「今日は対人形式で試すぞ。俺が心具と魔法の応用を使う。特性を言い当てろ」


父が不敵に笑う。俺は手に持った木剣を握り直し、喉の奥で小さく息を呑んだ
これまでの模擬戦とは、まるで別の難易度だと、もうわかっていた。


それかと言う物それから5日間はコレまでの復習とこの心具と魔法の見分け方に力を注いだ


父は自分の心具について教えてくれることはなかっただ剣の特性をや能力を変えられる何かなんじゃないかと推測することはできた


どこまでの自由度があるのかわからないが相当広い範囲で操ることができるみたいだ、連日毎度模擬戦をいていたらこの世界由来のスキルをいつの稽古中に修得していたそれがこれ


汗で額の髪が額に張り付いていた
息を切らしながら木剣を下ろすと、不意に―視界の端で、父の腰元の黒い短杖がぼんやりと光って見えた


(……? あれ、さっきまで何もなかったのに)


瞬きしても、やっぱり輪郭の外に淡い光の膜のようなものが見える
同時に、杖の中から何かが脈打つような感覚が伝わってきた


「……おい父さん。なんか、心具が……光って見えるんだけど」


父が眉を上げた


「ほう……やっと来たか」

「やっと?」

「連日の模擬戦で、感覚が芽生えたんだろう
 お前のそれは《魔法・心具感知》だ」


《魔法・心具感知》
・近くの魔法や発動中の心具が、ぼんやりと光で見ることができる
・精度は低く、魔力の濃いものや近距離しか感知できない。
・感知できても、特性や効果まではわからない。


父から効果を聞いたが


「……微妙じゃないか? これ」

「今はな。ただ、鍛えれば距離も精度も伸びる。
 何より――相手が心具を使う前に“気配”を察せるのは、生き残る上で大きな差になる」


父の言葉に、胸が高鳴したりはしなかった
ゲームではレーダーのように完璧な位置把握ができたスキルもありもちろん心具の位置把握スキルもあっただが。


この世界では生々しい直感として芽生え鍛える以外にないらしいスキルが手に入るまでの繋ぎとして使おう


(……なら、使いこなしてみせる、それに世界由来のスキルもカモフラージュには最適だ)



20日目の稽古は防御魔法の対策になった心具の訓練が終わってから著しく訓練が激しくなった


朝露で湿った土の上に、父は円を描くように棒を突き立てた
その周りをぐるりと取り囲むように、何本もの木杭が立てられている


「今日は防御魔法の対策だ」


父が片手を上げると、杭の間に淡い光の膜が張られていく
まるでシャボン玉の膜を固めたような、透き通った壁


「魔法は直線だけじゃない。回り込む動きも想定しろ」


(……防御魔法って、正面から殴って割るもんじゃないのか?)


俺の中にあるゲーム知識では、防御魔法は正面からの衝撃や射撃を防ぐだけのものだった。
だが、父が次に見せたのは、その常識を覆す動きだった。


「――ほら」

父が足を踏み込み、腰を低く落とした瞬間、光の膜が滑るように移動した。
まるで意思を持って回り込み、俺の背後を塞ぐ。


「っ……!? 動くのか!?」

「防御魔法は固定じゃない。術者が意識すれば、盾は追ってくる」


父はさらに、光の壁を細長く変形させ、まるで槍のように突き出してきた
俺は慌てて木剣で受けたが、軽く吹き飛ばされる


「攻撃にも転じる……それが防御魔法だ」


息を整えながら、俺は頭の中で必死にイメージを修正する
正面突破だけじゃなく、位置取りとタイミングを奪う戦い方それが必要だ


「今日は三つの状況を想定する。
 一つ目は追尾型、二つ目は衝撃波型、三つ目は“閉じ込め型”だ。
 逃げ場は残してくれないと思え」


父が不敵に笑う
防御魔法の訓練――それは守りを破るだけじゃなく、動きの自由を奪われても戦うための足掻き方を学ぶ訓練でもあった


正直心具の訓練よりも変幻自在の盾を相手するのは正直答えたね何よりなかなか成功しないのでそこから更に5日間続けるようになった

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