第2話 新たな命
仕事を辞めた‥
そして、相談した結果、お腹が目立つ前に籍を入れ、結婚式をする事が決まった。
両親は喜び半分に「順番、逆でしょ‥」と、ちょっと複雑な思いもあったようだったが祝福してくれた。
そして、若かった私は真っ白なドレス、カラードレスにも憧れを抱いていた
とても辛いつわりの中、結婚式をする事になった。
幸せだった
お腹にも新たな命
2人の結婚式だけど
誰にも言っていないけれど
3人の結婚式だった
それから新婚生活が始まった
お互い、ずっと実家暮らしだった事もあり、家事に
悪戦苦闘!
ケンカも増えた
それでも幸せに日々を過ごした。
つわりはしんどくて、何度も弱音をはき、何度、
「限界」という言葉を口にしたか‥
それでもつわりが突然なくなり、これから楽しい妊娠期間を迎えると思っていた。
仕事もしていない。
今まで出来なかったことや、友人に会おう!と、思っていた。
でも‥
28週、8カ月目に入ったばかりの夜、急にお腹が苦しくて座っているのもしんどい‥
夜間救急に連れて行ってもらった。
すると、1週間前の健診では何も言われていなかったのに「切迫早産です。これから24時間ずっと点滴をします。お風呂、食事、トイレ以外は横になっていて下さい。座った姿勢も負担がかかるので辞めて下さい」
私の妊娠生活は絶望へと変わってしまった。
それでも、愛する子どもの為、耐えた‥
何度もしんどくて泣いた‥
どうしょうもない感情がどんどん込み上げてくる‥
6週間、入院をし34週目、退院が決まった。
ただ、問題がまだあった。
逆子だった‥
この時点での逆子はもう戻らないと言われ、私はまた、決断をしなければいけなかった。
「帝王切開」
ただでさえ、初めての妊娠で怖いのにお腹を切るの?
怖い‥
不安‥
だけど決心した!
「お腹の子を安全に出産できるのは私だけだ」
37週には出さなければいけない。
更に3週間、自宅で安静にし、その日を迎えた。
前日に入院をし、次の日に備えた。私の両親も含め、みんな心配な顔。
私は「大丈夫、まっててね」
笑顔を取り繕って手術室に向かった。
本当は震えが止まらない。
万が一の事も考え、実は遺書まで準備していた。
医師にはこっそり「私に何かあった時には子どもを優先して下さい」と、書面にも残していた。
14:58、無事、帝王切開にて、女の子を出産した。
新しい命
小さいけど力強く握ってくれる
柔らかくてあたたかい
愛おしい
自然と涙も溢れてきた
「やっと会えたね」
「私があなたのお母さんだょ」
「絶対に守るからね」
「生まれてきてくれてありがとう」
今までのしんどい、辛いが一瞬で吹き飛んでいた。
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