第2話


  象牙細工マホガニーのおしゃれな姿見…ゆがみのない、くっきりした鏡面に映っているのは…いつもの可愛い”スイカちゃん”ではなくて、…


 白髪を振り乱した、皺と老人斑しみだらけの”醜いおじいさん”だったのです!


 「きゃあああ!!!」 楳図かずおさんのマンガのような表情と声で? ワタシは絶叫した。


 …”ワシは農家のボンボンだったし…畑でスイカをいつも朝早くに収穫して、一人でまな板で四つ切りにして、むしゃむしゃやっとったもんじゃ。

 新鮮なスイカの味は格別やった。 五臓六腑に沁みとおる、というのはあのことやなあ。 この子のような、若い娘の味覚も新鮮中の新鮮だし、スイカの味が五分通り甘みを増して感じられる。 幽霊になってからも、幽霊ネットで、”スイカを食べているオンナ”で調べて、たびたびリアルタイムに憑依して、感覚移入してスイカを食べたが、この子の舌と味覚の鋭敏さは群を抜いて素晴らしい…」


 わけのわからないたわごと?を、幽霊?はぶつぶつつぶやいています。

 

 <続く>


 

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