水に尚、燃ゆる赤

朝霧凜澄

水に尚、燃ゆる赤


干からびた花に水やり熱を帯び

直ぐに潤う私は女


腕を組み歩いていいのね下北を

花は飄々、悪戯に揺れ


届かない場所で生きてる君なのに

私の部屋で靴下を脱ぐ


「音消して」点けたばかりの映画消す

吐息ひとつも逃さぬ様に


完璧に着飾った服もメイクも

剥がれ落ちゆく夜の隙間に


静かにと言いながら何度も鳴らす

ジッとしてくれない君の指


散らかった部屋でピザ食べキスをして

世界の果てが此処でも良いと


水に尚、蛍のように燃ゆる赤

幸せ正しい愛じゃなくても


金曜のロードショーより水曜の

バライティ観る夜が欲しいわ


湧き上がる性欲の矛先は歌

うたえば乙女、しぬまで作家

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水に尚、燃ゆる赤 朝霧凜澄 @shampoo_rin_se

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