クラスメイトの甘党ギャルにカフェで出会ったら、KM同盟を組むことになった件~ラブDays~

夜空 星龍

第1話 相席ショートケーキ①

 今日はフォトスタで話題になっていた最近できたばかりのカフェに訪れていた。

 カフェの名前は『Cafeロンド』。

 僕の唯一と言っていいほどの趣味がカフェ巡りだった。

 カフェ巡りにハマったのは去年でこれまでに十五店ほど行った。

 行ったカフェは、そのお店の外装や、店内の雰囲気、注文した品、客層、等々をノートにまとめている。

 そのカフェ―ノートを一冊をすべて埋めることが今の目標だった。

 

「ロンドって、もしかしてロンドンからとってるのかな?」

 

 外装が英国風で、ロンドンの街に並んでいてもおかしくない見た目をしていた。

 お店の写真をいろんな角度から撮ってりカフェノートにお店の外装の詳細を記入して、僕はお店の中に入った。

 

「いらっしゃいませ~。お一人様ですか~?」


 店内に入ると女性店員さんが出迎えてくれた。

 出迎えてくれた女性店員さんの服装が、おそらく英国風といった感じだった。


「はい。一人でお願いします」

「すみません。ただいまカウンター席が埋まっておりまして、二人席でもよろしいですか?」

「はい。大丈夫です」

「それでは案内しますね~。こちらへどうぞ」


 女性店員さんに席まで案内される道中、僕は店内を見渡していた。

 女性店員さんが言っていたようにカウンター席は埋まっていた。

 席は他にも四人席と二人席があって、四人席の方もすべて埋まっていた。

 二人席も僕が今、案内されたところ以外はすべて埋まっていた。

 どうやら僕は運が良かったらしい。

 

「メニューが決まりましたら、お声掛けください」

 

 そう言って女性店員さんは立ち去っていった。

 メニュー表はテーブルの上に置いてあった。

 僕はメニュー表を手に取りテーブルの上に広げた。

 

「何にしようかな?」


 フォトスタで行ってみたいカフェを探すけど、投稿を見て名前と住所を調べるだけでお店の詳しい詳細(内装や食べ物など)までは調べないようにしているので、何を食べるかは毎回お店に来てから決めることにしていた。

 ここのお店のイチオシ商品は季節限定のショートケーキらしい。

 メニューの一ページ目にデカデカと記載されていた。

 今月の季節のショートケーキは桃らしい。

 料理を差し置いて、ケーキが推されているのだからよほど自信があるのだろう。

 

「デザートはこれで決まりだな。料理はどうしようかな?」


 料理のイチオシはハンバーグだった。

 なのでハンバーグにすることにした。

 ケーキと一緒に飲むドリンクを決めた僕は店員さんを呼んだ。


「お待たせいたしました~。ご注文をお伺いしますね~」

「このハンバーグと季節限定のショートケーキとアイスココアをお願いします」

「かしこまりました~。ハンバーグのソースはいかがいたしましょう?」

「えっと、デミグラスでお願いします」

「デミグラスですね~。それではご注文の方を繰り返させていただきますね~。ハンバーグのデミグラスソースが一つ、季節限定のショートケーキが一つ、アイスココアが一つでよろしかったでしょうか~?」

「はい」

「デザートは食後にいたしますか?」

「はい。食後でよろしくお願いします」

「かしこまりました~」


 僕から注文を受けた女性店員さんは席から離れて厨房の方に注文を伝えにいった。

 注文を終えた僕は改めて店内を見渡した。

 テーブルや椅子など、店内にあるほとんどの物がスマホで英国風の家具と検索したら出てくるようなアンティークな家具が置いてあった。

 客層はまちまちで、若い人からお年寄りまで幅広い年齢層の人がいた。

 店内の雰囲気は落ち着いた感じなので、一人でも来ても居心地が悪くなることはなさそうだった。

 僕はカバンからカフェノートを取り出して、店内の雰囲気、客層、注文したものを記入していった。

 

☆☆☆


「お待たせいたしました~。ハンバーグになります~。鉄板が熱いので気を付けくださいね~」

「あ、はい。分かりました」


 カフェノートに店内の様子を記入しているとハンバーグが運ばれてきた。

 デミグラスソースの美味しそうな匂いが僕のお腹を鳴らした。

 カフェノートへの記入をさっと終わらせて、カバンにしまい、僕はナイフとフォークを手に持った。

 

「いただきます。と、その前に……」


 僕はナイフとフォークをテーブルの上に置いて、カバンからスマホを取り出した。

 そして、フォトスタに投稿する用の写真を何枚か撮影した。


「よし、じゃあ、改めて」


 僕はナイフとフォークを持ち直して、ナイフでハンバーグに触れた。

 ハンバーグは凄い弾力があった。

 そのままナイフを上下に動かすと肉汁がはじけるように溢れ出してきた。 

 

「……美味しそう」


 ハンバーグを一口サイズに切り分けて、僕は口に運んだ。

 ハンバーグに酸味の効いたデミグラスソースがしっかりと絡みつき、噛めば噛むほど旨味と肉汁が溢れ出してきて、次から次へとハンバーグを食べる手も白ご飯を食べる手も止まらなかった。

 

「ごちそうさまでした」


 だから、僕はハンバーグをあっという間に完食してしまった。

 すぐにデザートのケーキを持って来てもらおうかと思ったが、もう少しだけハンバーグの味を堪能することにした。

 その間に僕はカフェノートにハンバーグの味を記入することにした。

 

「ねぇ、相席してもいいかしら?」

「えっ……」


 カフェノートにハンバーグの味を記入していると、いきなりそう声をかけられた。

 顔を上げてみると、そこには金髪の超絶美少女が立っていた。


☆☆☆


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