始まりはやっぱり出会いだろうか?2
…
……
うん、視界が少し良くなったかな?
ふむ、周りは静か。
どれくらい時間が経ったんかな?
てか、眩し過ぎてちょっと気を失ってたみたいだな。
感覚的には今倒れてる。
なるほどなるほど、うん…硬い地面。
おまけにゴツゴツしてるから学校ではない。
アスファルトとかコンクリートの類いと比べるとなんか違う。
俺は目を開けて起き上がる。
そこはホールのような儀式場だった。
下は予想通り石畳といえるものの上で眠っていた。
「なんだこれ?」
中心にある祭壇のようなものを見て俺は首を傾げる。
そこに置いてあるのは巨大水晶のようなものが祀られており、その中には胎児いた。
考えろ考えるんだ。
この状況で一番有り得る可能性はなんだ?
どこぞのカルト宗教に拉致られただな。
なら、あれはなんだ?
…いや、ないない…てか、結構グロテスクなことをする宗教だ。
きっと、あれは聖遺物だろう。
水晶の中に胎児を入れるなんてイカれてるなぁ。
「と、言ったものの色んな疑問を無視し過ぎてるわけだ」
あ、やべ冷静な部分出ちまった。
仕方ない一度現実を見つめ直すか。
カルト宗教に捕まったならまず、人がいるはずだ。
それにそれ相応のものを着させられているはず。
仮にも宗教だ。
潔とか生贄に適した服とかあるはずだ。
まぁ、雑な宗教でそこのところ気にならないとしても生贄を放置するだけってのはどう見ても可笑しい。
よってここは宗教的な場所『だった』かもしれない。
まぁ、とは言っても疑問が消えることはないが…一先ずここをそう言った遺跡と判断しよう。
そして、なぜ俺がここにいるのか…ふぅむ分からん。
しかし、推論はできる。
まずドッキリ説。
一番現実的に考えてこれだ。
しかし、それならば周囲を探れば良い。
この場所もそれ用に整えた場所と考えれば納得もいく。
なんらかの番組なら隠しカメラとかあるかもしれない。
まぁ、素人では見つけられるものではなさそうだがな。
これに関しては後でじっくり検証。
次は拉致説。
これの場合は理由不明。
なんらかの目的と意思がある故に面倒臭い。
わかりやすい思惑というのが少ない。
そして、最後は個人的に最悪の結論だ。
「ならばまずはこれだな」
俺は中心にある水晶に触れる。
それは輝き始める。
「ま、またかぁあぁーーー!!!」
いや、なんとなく分かってたよ。
光るだろーなぁって…いやでも、光すぎ!
あ、目を閉じてない。
「目がぁ!目がぁぁぁ…」
悶え苦しむ俺を他所に光はより強くなり、部屋中を照らし出す。
「死ぬぅ!光に俺は殺されるんだ!」
涙目で光を直視しないようにするがどう足掻いても光は目に入り瞳を焼きにくる。
「ぐぁあぁあぁぁぁぁぁぁ…」
絶叫をあげ、どうにか痛みから気を逸らすが辛い。
目が痛い。
涙がドバドバ出てくる。
そして、少し光が弱まった頃だろうか。
「初めまして私のマスターさん♪」
そんな声が聞こえてきた。
それに対して俺は…
「いっそ殺せよぉ…」
泣いていたのだった。
思えばそこが始まりだったのだろう。
全ての…
あれから数年…
「ようやく帰ってきたな」
「あぁ、お前がいなかった俺たちはこの光景を再び見ることはなかったよ」
「四宮はやればできる人だって私は知ってたわ」
俺たちの帰るべき場所日本に帰ってきたのだった。
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