僕らの裏教室
ARS
始まりはやっぱり出会いだろうか?1
ある平凡な学校、ある平凡な教室、ある平凡な日常で俺たちは生きていた。
羽可慈愛高校(ばかしあいこうこう)通称バカ高、1-1で。
「ついにきたー!俺の時代!ドロー!」
「急にどうした?」
「いや、叫びたくなっただけ」
俺こと四宮 矢木(しのみや やぎ)は昼休みに入りテンションハイで立ち上がる。
それを諌めるのは親友の黒野 克樹(くろの カツキ)。
超インテリみたいな眼鏡キャラしてるがただのアホだ。
「いやいやいやいやいや叫びたくなったって、お前頭のネジぶっ飛んでのか?」
「いつだってストリートドロップ!」
「ダメだこいつ早くなんとかしないと」
ふはは!今の俺を止める者など何もない。
いざゆかん自由の大地屋上へ!
そんな俺に阻むものがある。
誰だ命知らずめ。
「ストリートドロップだか、ドロップアウトだか知らないけど四宮今日の課題の提出はまだ?それとちゃっかり逃げようとしてる黒野も」
「ロンリーロンリー論理?」
「げ」
「意味が分からないね」
「てか、君言葉は鳴き声じゃないよ」
俺は止まる。
いや、これはやばい。
俺を阻むもの、それはこのクラスの委員長、三谷 與(みつや とも)である。
俺の幼馴染でいつだって真面目の清楚な見た目の女子だ。まぁ、見た目に似合わず腹黒だがな。
もう一人うるさい奴がいるが無視だ無視!
「…い、今更課題なんか間に合うわけねぇ!いくぞブラック!我々は自由を手にする」
「テンションはウザいがそこは同意だ」
俺たち二人はそう言って扉に向かって歩き出す。
ふ、俺たちに阻む障害は思ったより低かったな。
「へぇ、折角わたしがあなたたちの為にノートを見せてあげようと思ったのに」
「「すんませんした!!ありがとうございます!三谷様!」」
「よろしい。黒野受け取りなさい」
そう言って彼女は黒野にノートを渡す。
ん?あれ?
俺は?
「あ、二人で…
「言っておくけど四宮に見せたら二度とこんなことしないからね」
「(コクコクコク)」
で見ろってことじゃねぇのかよ!」
「そんなわけないでしょ。あなたはわたしと一緒にお勉強よ。みっちり教えてあげる」
「黒野…俺とお前の…」
彼は目を合わせてくれなかった。
必至に俺から視線を逸らし机へと向かう様子を見た俺は…
「う、裏切り者!親友ってのは嘘だったのか!くそーくそー!」
そしか言えなかった。
「さ、諦めて一緒に勉強しましょう」
「や、止めろ〜誰か!助けてくれ〜!」
俺の叫び声は誰も聞こうとせず俺は三谷に連れていかれる。
その時だった。
「…三谷、なんか言ったか?」
「いいから早く課題やる」
「いいや、そうじゃ…」
また、何か聞こえた。
しかし、誰も反応してない。
そう思った時、世界が輝いた。
いや、何言ってるのか自分もわからない。
視界が真っ白に染まってホワイトアウト?いや、どういう状況だ?
まぁ、眩しくて目を閉じるけどそれでも真っ白。
完全に逝かれてますわ。
あ、これ死んだ的展開?
いや、それはごめんっすよ。
まだ死ねない。
やり残しとかないけど…とにかく死ねない!
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