禍津呪物回収報告書

烏丸英

禍津呪物に関する概要

・禍津呪物とは


通常の呪物とは違う特殊な経緯で誕生した呪物の総称。

最大の特徴はその誕生までの期間の短さにある。


本来、呪物は長い年月を経て、特定の物品に憎悪やカルマが蓄積することで力を得る。

(具体例・妖刀と呼ばれる刀 製作者及び所有者の強い思念によって誕生。その後、生物を斬殺することで怨念、業を蓄積し、呪いの力を強める)

呪いの対象となった人間を殺害する、あるいは多くの人々を巻き込むほどの呪いの力を得るには、相応の年月を経なくてはならない。


しかし禍津呪物はその力を強めるためのプロセスが吹き飛んでいる。

わかりやすく言えば、誕生直後から一定以上の力を持ち、中には大量殺人すら可能な呪力を秘めているものすら存在していることだ。

この誕生速度とそれに見合わぬ力の強さから禍津呪物は強く警戒されており、政府は秘密裏に専門の回収機関を設立、その動向に目を光らせている。



・起源


およそ七年前、◇◆◇(重要情報につき検閲)に存在する××家(検閲・高名な霊能者を多数輩出している名家)に封印されていた悪霊・マガツが○○(検閲)によって解放される。

解放されたマガツは××家の領域に貼られていた結界に触れて消滅するが、その際に蓄積されていた業が国内に散乱。

人の強い感情(特に負の感情)に反応し、呪物を生み出すようになってしまった。

以降、マガツの影響を受けて誕生した呪物を禍津呪物と呼称するようになる。


また、この際に霊能者を排出する筧家の長男・筧謙吾かけい けんごが呪いを受けてしまう。

結果、筧謙吾はマガツの呪いに対する強力な耐性を獲得。高校入学を機に、機関の協力者として禍津呪物回収に携わることとなる。



・禍津呪物の取り扱いについて


回収した禍津呪物は複数の専門家たちと政府によって作り出された専門の施設内で厳重に管理されている。

その際、筧謙吾をはじめとした回収者たちからの報告によって呪物の危険度を決め、それに応じた扱いを徹底している。

呪物の誕生経緯や呪いの発現条件、懸念点などを知るために、この報告書はできる限り詳細に書くように命じられている模様。


また、中には敢えて回収されなかった禍津呪物も存在しているという。

これは放置しても脅威はないと判断されたか、逆に手を出すことによって被害を生み出すと判断されたものか、回収しようがもうどうしようもないという判断を下されたものが該当している。

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