夢の船

クフ

夢の船

何の帰りか、場所はスウェーデンということになっている。経緯はわからない。そこから帰国するのに、船を使うというのが、この前の夢と同じ点である。何千にも乗せる大きな船のくせに、しかし峡谷の間を縫うような、細かい動きが求められる。大きさに関して矛盾しているのは変わらない。乗船にはチケットがいる。事前に買っておくべきもののはずが、そのとき父と乗り込んだときにはそんな余裕がなかった。だが乗ってから、父が懐から何十枚もの紙を出した。「この前無料でもらった」とその中の一枚を私に手渡す。時間は一日の最終便、Dの午後三時からのもの。本当にギリギリで乗り込んだらしい。これを逃したら、おそらく何日も帰れなかったような、それほどの危機感が私にはあった。

 船内は広い。階段が船の底に向かって伸びる。私はそれを降りたはずだったが、次の瞬間には甲板にいた。おそらく確認せねばならなかった。例の、峡谷の橋。前に通ったときは何ともなかった。父が文句を言いつつ、なぜか納得する。何に納得していたかは覚えていない。橋が見えて、その下の大岩を避けるように船が移動した途端、やはり、橋が崩れた。向かって右側から。早い崩落だった。それが私たちの頭に降りかかるというようなことはなかったが、おそらくそれで船体に穴が空いた。次に見えてきた橋は、大雨によって崩れた。その破片よりも川に落ちたときの反動で、濁流や岩が船の上に大量に流れ込んだ。甲板にいた私たちは一度濁流の中に沈み、また浮き上がる。船は尚も前に進もうとする。私たちはそれに一縷の希望を託しつつ、船の中に向かう。そして毎度のことながら、混沌の中にはゾンビがいて、私はその場にあった消化器を手にして、何度か外しながらゾンビの顔に消化器をめり込ませた。手応えがなく、むにゅりと入って、ゾンビが死んだ。目が覚めた。

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夢の船 クフ @hya_kufu

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