昔、言って頂いたこと
学生の頃、某文学賞の佳作に選ばれた。
地元の新聞社の学生向けの小説のコンテスト。ちなみに、大賞は該当作なし。優秀賞が一番上。佳作はその下。
「今年も大賞は出ませんでした」と言っていたくらいなので、倍率は全国コンクールより格段に低くても、かなりしっかりとした基準を設けた賞だったらしい。
授賞式のあと、ケーキを食べながら講評を聞く時間があった。そこで審査員の先生に言われたことを今でもぼんやり覚えている。
「あなたには国語力がある」
「それが邪魔をしている」
平たく言えばそういうことだったと思う。何せ高校生の時の話なので、おぼろげ……
小説投稿サイトに登録してすぐの私も、そうだったと思う。紙の本しか読んで来なかった私は、独特な文化、形式、文体にアレルギー反応を起こしていた。
webで公開する時点で、もう媒体が違うのだから、原稿用紙の書き方にする必要はないのだ。スマホやPCに沿った、見やすい形式がある。今ではそう理解している。
私に変に知識があったばっかりに、そこにイライラしてしまったのだ。
誤字や変換ミスに関してもそう。
私は第一に文章力が伝わってきて、その上で世界観を楽しみたい読者だけど、(極端に言えば)日本語であればOKという人もいる。
それから、物語はもっと自由でいい。設定にしろ、展開にしろ、自分が楽しんだものがちなのだと学んだ。そうでなければ、一年間で何作も書き上げられなかった。
そんな中で夢中で書き上げた作品たちだが、初めて登録したサイトでは、編集部の目にも留まることもなければ、評価もあまりもらえなかった…!
長編小説の宣伝も兼ねて「こういうのはどうだろう?」と実験的な短編をいくつか書いたけど、そういう作品から長編作品を読んでもらえることは、ほとんど無かった。
ちなみに一番人気は、35歳リーマンと25歳OLの片思い作品だ。短編ばかりのシリーズの一作品で、1万字未満。表紙は男女のイラストでもなければ、ネタバレぎみのサブタイトルもなく、叡智もない。ラブシーンが軽い。何より片思い! 開き直って情景描写も凝った。
それなのに何故かこの作品には読み専門の読者様がどこからかふらりと現れ、そこから同シリーズの他作品も一気読みして頂けた。増えるスピードはかなり緩慢なものの、その分、ブクマが減ることはなかった。
この塩梅が自分に合っているのか? と何か掴めた気がした。
私は積極的に他の書き手さんの作品も読んでいたので、「何かお返ししなければ!」と読んでくださったパターンが多かった。
別にお返しなんか求めてなかったんだけど、何か返したくなる気持ちもわからなくもない…!
もしも次に「黒川さんの作品も読みたいと思います」と言ってもらえたら、「ありがとうございます! 感想お待ちしております!」と答えたい。(好みに合いましたら…とか言いがち)
文芸部の活動みたいで楽しかったけど、純粋な読者ってどのくらいいたのだろうか…今となってはわからない。実力不足だったんだろう。
今のところ、新しいサイトでの活動は楽しい。
ムーンライトノベルズは、評価やリアクションは少ないものの、ビュー数は圧倒的に多い。投稿してみて一日目でそれが分かった。いきなり好みが限定される短編を書いてしまい、アクセスがあるのは数日だけだと思ったけど、そんなことない。そもそも登録者数が全然違うのだろう。このサイトには歴史の分、頼もしさを感じます…!(以前のサイトはシステム面で不安があった)
カクヨムはビュー数がめちゃくちゃ少ない。けど、短歌もあるのでのびのびやっております。来年あたり長編を公開したいと思っている。
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