第9話 おっとりした芽依との温かい時間
皐月との関係は、吾郎の心に新たな罪悪感と快楽をもたらした。家族の温かい日常の中で、皐月からの熱い視線を感じるたびに、吾郎の胸は締め付けられるような痛みを感じる。そんな日々を送っていた吾郎は、穏やかな芽依からの誘いに、心底安堵した。
「ねえ、吾郎くん。家庭科部で作ったお菓子、一緒に食べない?」
放課後、吾郎は芽依に連れられ、誰もいない家庭科室へと足を踏み入れた。部屋には、バターと砂糖の甘い香りが満ちていた。芽依は、吾郎に手作りのクッキーと紅茶を差し出した。
「はい、どうぞ。吾郎くん、最近元気なさそうだったから、これで少しでも癒されてくれたら嬉しいな」
吾郎は、芽依の優しい気遣いに、胸がじんわりと温かくなるのを感じた。吾郎はクッキーを一口食べると、その素朴で優しい甘さが、吾郎の心をそっと包み込んでくれた。
「美味しいよ、芽依姉さん。ありがとう」
「ふふ、よかった。吾郎くんが食べてくれると、私も嬉しいな」
芽依は、吾郎の隣に座り、穏やかに微笑んだ。その笑顔は、吾郎の心を安らぎで満たしてくれる。吾郎は、芽依の優しさに甘え、ポツリポツリと自分の悩みを話し始めた。結月との関係や、皐月からの熱い視線。そして、自分だけが家族と似ていないという、拭いきれない孤独感。
芽依は、吾郎の言葉を遮ることなく、ただ静かに耳を傾けてくれた。吾郎が話し終えると、芽依は吾郎の手にそっと自分の手を重ねた。その手は、温かく、そして柔らかかった。
「吾郎くん、一人で頑張りすぎだよ」
芽依は、吾郎の手を優しく握りしめながら、そう言った。その声は、吾郎の心を撫でるような優しさだった。吾郎は、芽依の温かさに触れ、心が満たされていくのを感じた。
二人の間に流れる時間は、穏やかで、そして甘美だった。家庭科室の静けさの中、二人の心は、ゆっくりと、しかし確実に、通じ合っていく。
「吾郎くん…」
芽依の声が、吾郎の耳元で聞こえる。その声は、甘く、そして切なかった。吾郎は、芽依の顔を覗き込んだ。芽依の瞳は、吾郎の心を映し出すかのように、揺れていた。
吾郎は、衝動に駆られるように芽依の唇に自分の唇を重ねた。芽依は、最初は戸惑っていたが、やがて目を閉じ、吾郎のキスに応じた。それは、結月や皐月とのキスとは違う、優しく、そして甘いキスだった。
吾郎の舌が芽依の唇をなぞり、そっと彼女の口内へと侵入する。芽依は、驚きに小さく息をのんだが、その舌を受け入れ、優しく絡めてきた。お菓子の甘い香りが残る芽依の口内は、温かく、柔らかだった。
「んっ…」
互いの息遣いが熱を帯び、吾郎は芽依の肩を抱き寄せ、さらに深くキスを続けた。吾郎の手が芽依の背中を撫で、家庭科部で作ったエプロンの紐を解く。エプロンが床に滑り落ちる音だけが、静かな部屋に響いた。
「吾郎くん…怖い…」
芽依の震える声が、吾郎の理性を完全に吹き飛ばした。吾郎は、芽依の服に手をかけ、ボタンを一つずつ外していく。芽依は、初めての経験に戸惑いながらも、吾郎の行為を受け入れた。服がはだけ、露わになった芽依の白い肌。吾郎は、その肌に唇を寄せ、ゆっくりと愛撫を始めた。
「んっ…ひぅっ…」
芽依の身体は、吾郎の愛撫に小さく震え、喘ぎ声を漏らした。その喘ぎ声は、吾郎の耳には、甘く、切なく響いた。吾郎は、芽依の身体を愛撫し、彼女の快感を高めていく。芽依は、吾郎の愛撫に小さく喘ぎながら、吾郎の身体を求めてきた。
二人の身体は、互いの熱を分かち合うように、一つになった。芽依の身体は、吾郎の熱い身体に触れるたび、初めての経験に戸惑い、小さく震えた。しかし、その震えは、快感と歓喜の震えへと変わっていく。
「吾郎くん…もっと…」
芽依は、吾郎の胸に顔を埋め、そう呟いた。その言葉に、吾郎の心は締め付けられるような思いがした。吾郎は、芽依の言葉に応えるように、彼女の身体を愛撫し、彼女の快感を高めていく。
家庭科室の静けさの中に響く、二人の吐息と、甘い喘ぎ声。それは、家族という壁を突き破り、新たな禁忌の愛へと踏み出した、二人の最初の夜だった。
しばらくして、二人は静かに身体を離した。熱を帯びた肌が、ゆっくりと冷えていく。部屋の中には、二人だけの吐息と、かすかな汗の匂いが満ちていた。吾郎は、芽依の隣に横たわり、天井を見つめていた。胸には、言いようのない罪悪感と、同時に、深い安堵感が広がっていた。
芽依は、吾郎の胸に頭を乗せ、静かに身を寄せてきた。彼女の髪からは、甘いお菓子の匂いがした。吾郎は、芽依の髪をそっと撫でた。
「吾郎くん…ありがとう…」
芽依は、吾郎の胸に顔を埋め、そう呟いた。その言葉は、吾郎の心を深く温めた。吾郎は、芽依を抱きしめながら、静かに目を閉じた。それは、新たな罪悪感と、新たな快楽の始まりだった。
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