世界で一番暑い夏

深川我無

世界で一番暑い夏

 「世界で一番暑い夏」

 作詞作曲:深川我無

 

 薄曇りの空

 見上げれば蒼天は遥か

 80%を超える湿度が

 少年たちの額に汗を滲ませた

 

 未来を信じていた

 嘘っぱちだとしても

 未来があると信じていた

 その日は世界で一番暑い夏だった

 

 32123 32123

 一瞬で人が蒸発するほどに暑い夏だった

 額を流れる汗が

 頬を流れる涙が

 傷口から滲む血が

 一瞬で蒸発するくらい暑い夏だった

 

 未来なんて無かった

 全部吹き飛んでしまった

 馬鹿げたヒーロー気取りの一言で

 みんな気体ガスになってしまった

 

 誰かが言った。

 「あれはフェイクニュースだ」って。

 じゃあ分かるように教えてくれよ

 消えていった命もフェイクだって

 

 生身からかけ離れた思想

 置き去りにされた魂たちの痛み

 世界で一番暑い夏を生きた

 あの街に生きた人たちの声

 

 32123 32123

 一瞬で命が燃え尽きるくらい暑い夏だった

 遺したかった最後の言葉

 明日を見つめる希望に満ちた瞳

 愛しい人の頬に伸ばす手

 そんな暇もないくらい一瞬の出来事だった

 

 未来はあったんだ

 どんなに苦しくても

 喜びと痛みを噛みしめながら

 人は生きていくから

 マヌケな為政者たちの机の上じゃなくて

 焼け付く砂の上で幽体ガスになって消えた

 

 世界で一番暑い夏だった

 世界で一番暑い夏だった

 世界で一番暑い夏に死んだ人たちがいた

 

 世界で一番暑い夏だった

 世界で一番暑い夏だった

 世界で一番暑い夏に生きた人たちがいた

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世界で一番暑い夏 深川我無 @mumusha

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