Episode 39 :【雷雨が去りて】
――〈
その空間を覆い尽くしてしまうような、一筋のレーザービームが照射された。
その標的は、《
だが凛太郎は、
そうすることで、
しかし、それでもノーダメージとはいかず、両の
「……まさか、こんな必殺技を隠し持っていたとはな……。食えない少年だ」
二つ折り式携帯電話――《
そんな凛太郎が、意識を失って倒れている
それは、軽蔑や皮肉でもない、率直な評価だった。
そのまま凛太郎は、使い古されたライターを取り出し、蓋をキンッと開ける。
すると、先程まで吹き荒れていた嵐が、嘘のように、ピタリと止んだ。
――ガチャッ……。
その直後、凛太郎の後頭部に、重たく冷たい鋼鉄の感触が伝う。
銃身に炎の
それを構えていたのは、
「……おいたが過ぎるで、リンリン。
なんの罪もないナッチャンを、こない一方的に……」
「奴の服には、人一人を守るには過剰すぎるほどの、
しかし、手加減している俺を相手に、気絶しているようでは……やはりまだ、力不足と言わざるを得ないな」
銃口を突き付けられているにも関わらず、凛太郎は
「……装置が組み込まれていたからって……!
ウチが言いたいのは、そういうことちゃう!」
次の瞬間、凛太郎は銃口をその手で握り――わざと、自分の額に突き付ける。
そして、朱音が息を呑む中、冷静に言葉を続ける。
「そう思うのなら、もっと早くこうするべきだったな。
本当に俺が、この少年を殺そうとしていたとしたら――仲間に銃を向ける覚悟が、お前にはあったのか?」
その鋭い眼差しが、真っ直ぐ朱音を射抜く。
まるで、言葉以上に、朱音を糾弾しているかのようだった。
「その甘さが、お前の弱さだ。自分でもそう思わないか、鳳紫」
「……アンタのそういうとこ、ホンマ……大嫌いやわ」
朱音は苦々しい表情を浮かべ、どこか観念したかのように、ライフルの銃口を下げる。
そんな朱音に対して、凛太郎は何を感じるわけでもなく、平然と
火花が散るような空気。
だがそれは、一触即発の緊張か、それともただの〝家族喧嘩〟か。
そんな両者の空気に、夏神の容態を確認していた
「2人とも、今は揉めている場合じゃないない!
一刻も早く、夏神君を病院に――」
「その必要はないだろう。
ここには、そこらの病院より、高度な治療施設がある。……違うか?」
相変わらず無機質な
そんな何気ない言葉に、龍雅と朱音は、驚きを隠し切れなかった。
凛太郎の言葉通り、〈A.E.G.I.S〉の治療施設は、最新鋭の医療器具が導入されている。
しかしそこは、特殊構成員しか、入室や使用を許可されていない場所なのである。
だからこそ、凛太郎のその言葉が、何を意味するのか……それを、2人は理解したのだ。
「その言葉……! 夏神君の加入を、認めてくれるんだな!」
「認めざるを得ないだろう。
『一発でも当てたら認めてやる』、その条件を提示したのは、この俺だ」
「それなら話は早い! 君も、夏神君の手当を手伝って――」
「断る。ここから先は、俺の管轄外だ」
「なっ……」
動揺する龍雅と朱音を前に、凛太郎はなおも冷酷な口調で続ける。
「心配しなくとも、その少年は、生死を
そう言い終えると、凛太郎は何食わぬ顔で、その場を去っていった。
「なんやあいつ……! 血も涙もないんか、ホンマ……!」
「文句は後にしよう!
俺はまず上に行って、ガブリエル様に、今回の件を報告しなければならない!
その間に君は――」
「『ナッチャンを治療室に運んでほしい』、やろ? 分かっとるで!」
「ああ、その通りだ! 君の察しの良さには、いつも助けられる!」
朱音との
「よく頑張ったな、夏神君。もう君は、正真正銘、俺達の仲間だ。
痛い思いをさせて、すまない。しばらくの間、ゆっくり休んでくれ」
そして、辛うじてか細い呼吸をしている夏神に向けて、笑みを浮かべる。
それは、〈A.E.G.I.S〉の主任としてではなく、一人の大人としての、優しい眼差しを秘めたものだった――。
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放たれたその一撃は
何より
誰に何を言われようと 構わない
敵に刻み込む その
確かに俺が歩んできた 歴史の証明
(
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《次章予告》
「――ガブリエル様!
ご報告したいことがあり、ただいま参上いたしました!」
『うるッッさいわねッ!! アナタの声は、いちいち耳障りなのよ!!』
『……それで? 結局のところ、アナタの要件は何なのよ』
次章――【Forth Story of the Babies:《我等、人類を守る盾となり》】
次回――Episode 40 :【〝大天使様〟の御前】
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第三章、無事完結!
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それでは、また次の章にて、お会いしましょう!
🌟💫「【T.F.B】の物語が、あなたの人生に、小さな輝きを届けられますように!」💫🌟
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