第二十章:砕かれた復讐と歌声の代償

@amagaminomikoto

第二十章:砕かれた復讐と歌声の代償

「リーネ」の衝撃的な言葉は「アッシュ」の心を深く突き刺し復讐心を完全に打ち砕いた故郷の惨劇と両親と一族の死その全てが自分たち一族の血筋を糧とする贄の儀式だったという残酷な事実が彼を再び深い絶望の淵に突き落とす故郷を滅ぼした王族と太古の魔族への憎しみは無力な自分自身への憤りへと変わり「アッシュ」は膝から崩れ落ち震える手で剣を手放した


その傍らで「あまがみ」は「銀髪の少女」の苦痛を歌声で癒し魂を解放しようと歌声を響かせていた歌声が強まれば強まる程「あまがみ」の身体から力が吸い取られていくのが感じられる


すると結界そのものが意志を持ったかのように反応し始めた七色の光が収束し新たな守護者が生み出されていく


それは彼らがこれまで戦ってきた異形兵士たちとは違い王族の紋章を身につけた、より強大な力を持つ存在だった


「盟約の侵犯は許されぬ真の魔族を解放する者は……この世界を滅ぼす存在となるだろう……」


守護者たちは「アッシュ」と「あまがみ」に向かって一斉に剣を構えた


その圧倒的な力に「アッシュ」は再び剣を手に取る


「俺が……俺たちが間違っているのか?……」


「アッシュ」が葛藤する中「リーネ」は裁定者たちを指揮し守護者たちとの激しい戦いを開始する彼女は「あまがみ」の歌声を守るため


そしてこの世界の歪みを正すため全てを犠牲にする覚悟で戦っていた


「兄上……今は迷っている暇はない!歌姫を守れ!この子を……そしてこの世界を救うために……兄上の力が必要なのだ!」


「リーネ」の悲痛な叫びに「アッシュ」は我に返った彼は復讐のためではなく「あまがみ」と「リーネ」そして一族の魂を救うために


この剣を振るう事を決意する彼の瞳に迷いはなく絶望の底から立ち上がった彼は新たな覚悟と共に守護者たちに立ち向かっていく

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