第六話:トイレの花子さん?

わたし学校がっこうのトイレがきらいだ。とく一人ひとりはいるのは絶対ぜったい無理むりで、いつも何人なんにんかとってっていた。


しかし、今日きょうはどうしても一人ひとりにならなければならなかった。トイレ掃除そうじ時間じかん、いつも二人ふたり担当たんとうしているパートナーが風邪かぜやすみだったからだ。校舎こうしゃの1いっかい一番いちばん北側きたがわにある図工室ずこうしつまえのトイレ。その校舎こうしゃは、ふるくからっているためか、廊下ろうかなつだというのにひんやりとつめたく、どこか薄暗うすぐらい。昼間ひるまでもなにかがてきそうな、不気味ぶきみ雰囲気ふんいきかもしていた。


もちろん、トイレの雰囲気ふんいき最悪さいあくだった。

タイルは薄汚うすよごれており、おく個室こしつとびらは、いまにも「いつでもてこられますよ」とわんばかりの威圧感いあつかんはなっている。


わたしふるえる掃除用具そうじようぐを手に(てに)り、どうにか掃除そうじわらせようと必死ひっしになった。

そのとき、おくから二番目にばんめ個室こしつとびらが、**バタン!**とおとててじた。


「ひっ……!」


わたしはその瞬間しゅんかんっていた雑巾ぞうきんほうげ、トイレからそうとした。だが、トイレのとびらをかけたその寸前すんぜん背後はいごから、んだ、おさなこえこえた。


「おねえちゃん、なにしてるの?」


おもわずあしがすくむ。いてはいけない。そう自分じぶんかせながら、ふたたはしろうとしたぼくに、そのこえはさらにつづいた。


一緒いっしょあそぼう」


ぼく悲鳴ひめいげ、トイレのとびらけ、一目散いちもくさん廊下ろうかはしってげた。そのも、薄暗うすぐら廊下ろうかには、さっきのおさなこえひびわたっていた。


あまりのこわさに、わたしはすぐ友達ともだちたすけをもとめた。はなしくと、そこでおなじような経験けいけんをした何人なんにんかいるという。


ふと、あのとき、もし「いいよ、一緒いっしょあそぼう」と、ふざけてでもこたえていたら、一体いったいどうなっていたのだろうか?そんな想像そうぞうが、いまわたしふるがらせるのだ。

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少し怖い想像話 niHONno @niHONno

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