不発弾処理

再戦の約束の日。

初回の反省を活かしてノンアルコール。

ここぞとばかりにED治療薬も飲む。

準備は万端である。


待ち合わせしてホテルに向かう。

特に設備等には拘りなく近所のホテルだ。

ムスメが腹が減っていると言うのでコンビニで水と軽食を買ってからチェックイン。

今日もムスメは可愛い。

前回の語らいでかなり打ち解けたのかでニコニコしていろいろ話してくれる。

なかなか始まらないのでオジからシャワーを提案。受諾。

いざ再戦だ。


まずはオジのターン。

あの手この手でムスメを喜ばせようとしてみた。

オジはそれなりに自信があったが、反応は芳しくない。

そこには恥じらいも官能的なリアクションもない。

さっさと最終フェーズに移って欲しいと言いだした。

そこにビジネスライクな「早く終わらせたい」という意思は感じなかった。

ムスメは本心から最終フェーズこそが、その一体感こそが重要だと思っているようだった。


ムスメのターン。

それほど上手くはないが様々な趣向で頑張ってくれる。

じゃれ合うような気楽さ。

やはりそこに官能的な色合いはなかった。

薬の効果もあり最終フェーズに移れる程度には元気になった。

六割程度か。


最終フェーズ。

兜は着用しない。元々そんな話だった。

オジは兜を着用している間に元気を失う事故の経験から会う前にその条件を提案するようにしているのだ。

そして最後の一線を越えた。

しかし。ムスメの希望する一体感は長くは続かなかった。

オジは本当にナイーブなのだ。

原因は精神的な高揚不足なのだろう。

残念としか言えないミスマッチだった。


オジは最終フェーズに弱い。

そこに辿り着くまでの障害が多い上に、持続するのも大変だ。

それ以前に重きを置くことで自信のなさを補いつつ、相手の反応で気分を高揚させてから望む必要がある。

これまで会ってきた女性はこんなにストレートに希望を表明しなかった。

思いやりなのか顧客満足度のためなのか定かではないが。


反してムスメは若くて美形だ。

同世代との行為ではガツガツと求められるケースが多いことは想像に難くない。

顧客も身を差し出せば相手は勝手に満足するのだろう。演出は不要なのだ。

若さゆえに未発達な部分が多いこともあるのかもしれない。


一線を越えるという実績解除は出来たものの、不発弾は依然として残された。

ムスメは今回も失礼だと笑った。

そこには悪意も侮蔑もなかった。

双方の楽しみが中途半端に終わったことを残念そうにしていた。

オジは自信を失った。

が、ムスメとの交流には得がたいものを感じて関係は継続とした。

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