さえき

2025年8月6日

何かを忘れたくないと必死に願い、さらさらと流れていく記憶の欠片にしがみつく日々と並行して、絶えず私に訴えかけてくるもの。たとえば都会の喧騒のなかに見かけた後ろ姿で鮮明に蘇る数十年前の誰かだとか、瞬きのまえ、その目を閉じる瞬間にちらつくいつかの夢の断片だとか。

次の瞬間には「まぁいいか」と思ってしまうような微かなざわめきにこそ、絶対に見落としてはいけない今の自分の核があるのだろうなと思う。というよりかは、そういう思考を捨ててはいけないのだろうなと強く思う。

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さえき @mochi_moo

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