最終話
「今まで訓練してきたことを思い出せ! いくぞ!」
調査隊、隊長の合図とともに二人も魔王のもとに駆け出す。
トムは魔法、スライトは剣を振りだす。
「弱いな……」
魔王が呟く。
「なっ!」
二人は動揺したが攻撃を放った。
魔法はあたった。だが。手応えがない。
「クソ……魔法がなかなか聞かねえな」
魔王はびくともしていなかった。
「俺が行く」
スライトはそう言って魔王のもとに歩みを進める。
もう一度剣を振りだす。だがいとも簡単にスライトの体は魔王の攻撃によって後ろに吹き飛ばされた。
「大丈夫か?スライト?」
ケビンはスライトのもとに駆け寄る。
近づこうとするケビンをジェスチャーで止める。
「はっ」
スライトはもう一度剣を持って魔王に向かった。
「くっ」
「スライト!」
もう一度、同じようにスライトは吹き飛ばされた。
「……? なぜお前は魔法を使わない? お前からは魔法使いと同じ匂いがする。魔法は使えるんだろ? お前も馬鹿じゃないはずだ。剣でちまちまた戦うより魔法が強いのは知っているはずだ……なのになぜ、魔法を使わない? お前も剣じゃなく魔法を使え……」
魔王は言う。
「うるせぇ!」
そう叫んだのはトムだ。
トムは魔法を放つ構えをする。
だが魔王の攻撃でトムの体は吹き飛ばされた。
「ぐわぁ!」
「トム!」
スライトは叫ぶ。
「どうした? お前が下手なくせに力を制御しているから仲間が死にそうだぞ? 現に見てみろ、お前ら二人と来たあいつらは地面に倒れ込んでいるぞ」
魔王の言葉を聞き、スライトは周りに目を向ける。
いつの間にか調査隊の皆は地面に倒れていた。
「くそっ」
トム……
トムは魔王の手に捕まっていた。
今にも握りつぶされそうだ。
スライトは立ち上がった。
そして呼吸を整える。
「そうだ、その意気だ……」
そして過去の記憶、そして線はしていないが何冊も呼んだ本の内容を脳に浮かべ、脳内の情報を段々とそして着実に鮮明にさせていく。
そしてそれが現実に見えた。
スライトの周囲には溢れてやまない魔力が漂っていた。
魔力はそのままスライトのみを包んだ。
魔王がスライトに攻撃を放つ。
攻撃は簡単に弾かれた。
「……素晴らしい……」
魔王は呟いた、
「はぁ!」
スライトの叫び声とともに魔法が魔王に近づき、魔王は跡形もなくなくなった。
「大丈夫か? トム?」
スライトはトムのもとに駆け寄り、トムの首に手を当てる。
「意識は……ある……」
調査隊の方に目を向けようとしたときだった。
地面に何かが落ちているのを見つけた。
「何だ?」
その落ちているものに近づくと、
「本?」
落ちているものは本であった。
ボロボロになっており、古い。
スライトは本を開いた。
そして見慣れた文字の内容が目に飛び込んできた。
「僕と同じ……名字?」
ブルー・スライトのブルーという文字を見つけ、スライトは驚いた。
「魔法で命を消費しない……一族?」
本にはそう書いてあった。
スライトは自分がその一族であると直感でわかった。
そして本の裏側を見た。
そこには名前が書いてあった。
それは父の名前であった。
「父は昔ここに来ていた……そして魔王に……やられた?」
「これがもし、本当なら……」
魔王を倒し、調査隊も無事であった。
トムが意識を戻し、スライトたちは街へと帰還した。
スライトが持ち帰った本は正式に調査された。
そしてスライトの血液に秘密が隠されているという調査結果が出た。
スライトは血液調査に積極的に協力した。
そして命を消費しない魔法が完成した。
デメリットがない魔法……
それが完成した。
魔王が倒され、魔物の数は減っていっていた。
そして命を消費しない魔法が完成したことにより魔物の数はいっきに減り、1ヶ月後、魔族は根絶した。
代償を伴う魔法 @mikan1120
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