第45話 長女は蹴るし、次女は裸族だし

長女小学二年生の春、ようやく長女の“自分の部屋”を作った。


我が家は2LDK。寝る部屋は二つしかない。

これまでは「パパと長女チーム」「私と次女チーム」でなんとなくバランスを取っていた。


でも今回、そのベッドの部屋を長女の個室に再編成。

ベッドをひとつ置いて、「さあ、今日から一人部屋だよ」と。


……まあ、そんなにうまくいくわけがない。


パパ、シングル布団地獄へ


案の定、夜になると「寂しい〜」と寝室に戻ってくる長女。

最初のうちは、私が「パパ、連れてって」と指示を出し、パパが長女を抱っこしてベッドへ。


でも寒いだの、怖いだのと、何度も起きてくる。

寝室と長女の部屋は隣同士、ドアも開けっぱなし。これ以上ないセーフ設計なのに、それでも寝られない。


……と思いきや、寂しかったのはパパの方だった。

次女は私にぴったりくっついて寝ることがあると、パパは“あぶれ者ポジション”。

長女がベタッとくっついてくれるのが、どうにも嬉しかったらしい。


私:「寒くないように布団たくさん持って、エアコンつけてあげれば一人で寝るよ?」

パパ:「うーん……(聞こえないフリ)」


その結果、今ではパパと長女が寝室のシングル布団で二人寝。

パパ、80キロ超え。シングル。


思わずつぶやいた。

「寝返りも打てないだろ、ボケ」


その瞬間、寝ていた長女に足で思いっきり蹴られた。

ツッコミのキレが物理的である。


寝直したら、今度は普通に寝返りを打った長女の足がパパのお腹に枕乗り。

そのまま私の方に蹴りが飛んできた。


そう、この子、寝相が本当に悪い。

誰かの布団で寝たいくせに、誰かを蹴り飛ばす。

お願いだから、一人で寝てください。パパも、あきらめてください。


寂しいのはわかるけど、あなたの腰の方が心配です。


次女、裸族を極める


ちなみに隣で寝ている次女1歳は、こっちはこっちで別の意味で強烈。


一日中ほぼ裸。真冬でもオムツ一枚。

当然、布団も拒否。


0歳〜1歳半までは「真冬でも布団の中」だったのに、2歳目前の今は、布団から脱出→寒くて目が覚める→布団に戻る、を夜中に3〜4回繰り返す。


こちらとしては、ずっと布団をかけ続ける羽目になる。

本人は文句ひとつ言わず寝ているのに、手足は氷みたい。しかも冷え性でしもやけ持ち。


だったら服を着てくれ、本当に。


夜泣きしないだけマシだけど……なんでそうなるの。

ねえ、お願いだから布団かけよう?服着よう?しもやけ痛いって言ってたじゃないの。


結局いまは皮膚科でもらった薬を塗りながら、裸族の娘と布団を奪い合う毎日である。


そして、ぎゅうぎゅう


そんなこんなで、結局いまも家族4人ひとつの布団でぎゅうぎゅうに寝ている。


長女は蹴る。

次女は裸族。

パパはシングル布団に80キロ。


……クセ強すぎる我が家の寝室事情。


それでもまあ、こうして誰かに蹴られたり布団を取られたりしながら眠るのも、悪くない。

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