口拓 ──青防の守り人 Bible──(制作秘話と裏話等)
雪瀬 恭志
『青防の守り人(本編)』関連
第一弾:世界観の制作秘話・裏話
――さぁ、始まりました、『
ーーーー【何故創作をしようと思ったのか】ーーーー
まず『事の始まり』なんですが、雪瀬(以下私)自身がかなりの(自称)サブカルヲタクでして、サブカルチャーの中でも特に漫画・アニメ・ゲーム・ラノベなどのいわゆる”二次元コンテンツ”に精通しているんですよね。
元々は本やアニメ、と言っても親の影響で『ワンピース』だったり『NARUTO』、『トリコ』、変わり種で『イナイレ(イナズマイレブン)』や『ダン戦(ダンボール戦機)』というポピュラーなものしか見てなかったわけですが、ある時転機が訪れます。
それは『朝の読書タイム』。
中学生の時、『読書をする人が少ないから、朝に時間を設けて親しみを持ってもらおう』という学校ぐるみの試みがあり、自分はそれまで読んでこなかった、『ライトノベル』に手を出し始めました。
自分の親は大反対でした。当時私は『アニメはポピュラーなものだけにしなさい』みたいな、一種の圧みたいなものをかけられていた(うちの家庭は元々はいわゆる教育ママ・パパ家庭みたいなところもあった。学歴はお察しなのですが、自分のできなかったことを子どもにやらせるタイプなので、とにかく教材をやらされていた)ので、当時は『読みやすいと思うからこれにするの!』の一点張りでずっと揉めてました。
幾分たった頃、その中で自分が中学一・二年生の頃に出会ったあるライトノベル作品が、私の創作を始めさせます。
『IS -インフィニット・ストラトス-(MF文庫J版)』
まあ、古参のヲタクならみんな知ってる『IS』っていうヤツですね。自分が出会ったときにはもう廃れていて、多分自分がこの作品を知るちょっと前(とはいっても数年前だが)に二期のオフラインイベントが開催されていた気がします。
中学生当時はラノベが密かにマイブーム(周りも若干ブームだった)で、尚且つ学生なので財布事情がかなり深刻なことも有り、新品を敢えて買わず、ブッ◯オフなどで昔やっていた(今もやってるのかな?)一冊百いくら円という破格の値段売られている当製品をまとめ買いとかしていました。
私が過ごしていた中学時代から高校までオタクとそうでない人の区別が明確化されていて、オタクはみんなと同じく事実上の差別をされていました(教員・生徒からいびりやいじめにあっていたものも少なくないです。かく言う筆者もその一人で、本を取り上げられたり挿絵の部分のみを廊下に破り捨てられたりしてました)。
話が逸れましたね。戻します。
その『IS』をよんだ際に『マルチフォーム・スーツ』という存在を知り、「自分もこんな話作ってみたいな」と思ったのが事の始まりです。
それまではSF作品(あれをSFと呼んだら他所様に怒られそうな気もするが)はガンダム系を少ししか読んでおらず、ほとんどがファンタジー作品でした。
ファンタジー系ラノベ作品で当時主に読んでいたのは次のとおりです。
・アブソリュート・デュオ
・魔法戦争
・東京レイヴンズ
・灼眼のシャナ
・ハイスクールDxD
・ストライク・ザ・ブラッド
当時は異世界ファンタジーがそんなに無く、いわゆる『石鹸枠』という俗称で呼ばれる作品が多かったですね。
そんな折の中学時代に、幼稚園の頃から親睦があった先輩から、とある誘いを受けます。
そこから塾(当時は受験も控えていたこともあったので、かなり頻繁に通ってた)の休憩の合間や自習の時間に創作を地道に進め、最初に完成したのが『
まあ受験は失敗して、その後親からめちゃくちゃ言われるのですがね。
――では、この『ESS』がどのようにして『青防の守り人』に変わっていくのか、その過程を解説できたらな、と思います。
ーーーー【移り変わり】ーーーー
最初書いた『ESS』という話そのものは『IS』と、並行して読んでいた『アブソリュート・デュオ』をなぞる形で作られていて、前者の『IS』は当時MF文庫版が七巻きっちりでていたのですが、リブート版になる『オーバーラップ文庫版(以下オバラ版)』はまだまだ途中でした。なので話は未完結で終わっています(アブソリュート・デュオも理由は違えども未完結)。
あらすじは簡単に言うと『妹の”
とはいえ、今とは違う男性主人公で、いわゆる『萌え(キャラを映えさせる形式)』や『ソフトSF』にふっていたのもあり、作風はかなり違います。
この時まだSF作品としてはガンダム(それもSEED系列のみ)、ミリタリーなら艦これ等しか追いかけていなかったので、かなりの知識の格差みたいなのがあります。それでも自分なりのSFを書いていたことは評価したいと思っています。
そして自身の創作を創作たらしめている『IS』ですが、実は今の”百合系SFアクション”にしてくれた者が、そう、『FLOWERS』というアドベンチャーゲームと、アニメ作品『鉄血のオルフェンズ(以下鉄血)』の登場です。
◆
【FLOWERSとの出会い】
中学後半〜高校生のある時、ネットショップでたまたま見かけた『FLOWERS』という作品の、そのキャラクターデザインに惚れ込み、機会の少ないお年玉やその他貯金を崩しながら(高校当時は後述の統合失調症・鬱症状のせいでバイトはできませんでした)プレイしていたのを覚えています。
イラストレーター兼『Innocent Grey』代表取締役兼企画原案の『スギナミキ(杉菜水姫)』大先生の儚いや美しいでは語りきれない繊細で緻密なイラスト群や表現、シナリオライターの『志水はつみ』師(勝手に呼んでます)の文学的で澄んだ文章、そして”百合”という未開拓の領域。自分は一目惚れに近い衝撃を受け、いつしか創作に多大なる影響を与えていきました。
それは『男性主人公』ではなく『女性主人公』に、『NL(男性×女性のカップリング)』ではなく『GL(女性×女性のカップリング)』にと。これも然しながら『萌え』にしか見えていなかったので、今の『青防の守り人』とは到底かけ離れた存在になっています。
然しながら、この『FLOWERS』を読み進めていくたびに「この百合は明らかに違う」というのを初めてながらに知り、そこからいろいろな改良や影響・衝撃を重ね、今のものに近いものが誕生するのです。
【鉄血のオルフェンズとの出会い】
同じ時期頃に、これまたネット上で見つけた
荒廃しきった世界観、その中で懸命に生きる人類、そしてC.G.S.もとい鉄華団の台頭と失墜。
あの世界観がなければ私の作品群に共通する”傷”の『過人戦』は誕生していないですし、そもそも『フレーム』や『ウィリアー』のようなものも生まれていないです(もし仮に『ESS』のままだったら、単なる『萌え』へと至るための消費アイテムに成り下がっていたかも知れないです)。
『メカニカルな部分』と『荒廃しきった世界観』の両立をしても尚、血生臭さと硝煙の香りを残しながらも、どこか芸術のような雰囲気を醸し出しているこの作品を知れたのは、本当に運命としか言いようがないです。
◇
そこから”『IS』のようなマルチフォーム・スーツ”というよりも、より現実的な、それでいて『IS』のリスペクトをしつつもオリジナリティをもつパワードスーツを作ろうと移り変わっていきました。
世界観も”『荒廃した世界観』を持ちつつも、それに抗うような世界観にしたい”という思いが強くなっていきます。
然しながら、後述のある障害が、私の作品を逆転する話に変わらせていきます。
それは――
ーーーー【文章・書体の移り変わり】ーーーー
『ESS』執筆当時は『IS』のように砕けた、それでいて主人公の心情が伝わるユーモラスな文体で書いていて、その時は文章構成や表現技法は全部独学で、其の為決行グチャッとしてました。
元々簡潔にまとめるのが得意(さじ加減)なのもあってか、あんまり長ったらしい文章は書かず、むしろラノベらしい書き方をしていましたね。
現在は主人公のデバフに沿って、敢えて説明的な文章を書いていますが、昔はそんな感じでした。
元々ノベルゲーム等もいろいろプレイしていた経験もあってか、文学的と言うよりもどこかカジュアルな表現しかできないのは、私自身の書き方の癖と加えてのモノでもあるので、もっと改良したいなと思っています。
表現能力で最も参考に、そして尊敬する師では、前述の『FLOWERS』のシナリオライターである『志水はつみ』先生が『青防の守り人 本編』系統ではメインで参考にしています。
文学的な表現と繊細なタッチでティーンエイジャーを表現し、物語を描写できたらと思っています。
ーーーー【機体群について】ーーーー
現在のキーアイテムになっている『フレーム』や『ウィリアー』、その他兵器はこの時点ではでておらず、代わりに『ESS(読み方同じ)』がその代わりを担っていました。
詳細な資料は高校の病み期(病み期なんてものじゃなく、れっきとした統合失調症と限りなくうつ病に近いうつ症状という病気・状態でした)にほとんど全部燃やしてしまったので記録・記憶している限りになりますが、『ESS』の中には『禁人(”きんじん”とよんだ気がする)』という、太古の昔に封印された特別な人型(ほぼ人間)生物が内包され、『ESS』を扱う者はこれまた『コア』という制御システムを手術で搭載しないと制御できないという設定でした。
その中でも主人公の”深夜”の所有するESS『刹華(せっか、と読む)』の中に住まう禁人『
然しながら勿論デメリットもあるので、そこは駆け引きみたいなものですね。
これを何回か書き直していくたびに現在のような形になっていくわけですが(次項目に続きます)……
ーーーー【発達障害と創作】ーーーー
まあ字面のとおりです。高校生活の終わり間近に、全くもって癒えない病気の症状に「一回発達の検査してみるか」みたいな感じで臨床心理士の方と検査を開始。
結果は、「軽〜中程度の注意欠陥多動性・自閉症スペクトラム障害の可能性が極めて高い」とのことでした。
まあ詰まる所の『ADHD』と『ASD』の混在ですね。
最初聴いたときにはぶっちゃけどん底まで落とされた気分でしたね。「まさか自分が」という感情が湧き上がり、「あぁ、これから”障害者”として生きていくんだ」という絶望感がでてきました。
そこから薬が変わっていき、そこでも色々有りました。中学時より体重が二倍近く増えたこと(元々ストレスで過食症になっていたのもあるが)、制御が効かなくなってODしてしまったことや校内で暴れまわってしまった事など。
で、これが創作になんの関係があるのかと言うと、それは『桜那とそれを取りまく人物の性格や特徴の変化』です。
ぶっちゃけて言うと、私の作品の一つ『青防の守り人(本編)』は事実上の、『障害と向き合う』ためにと、そして『良き理解者を探している』という名目で書いているのが本音です(勿論裏テーマも有ります)。
キャラのそれはまた別の機会に書くとして、私はこの『ADHD+ASD』という『先天的な呪い』をこの時期に明確に知るわけですが、この傷を用いて上記の他に、”『障害』と『二次元』の融合”という事と、”『呪い』や『過去に体験してきた心や体の傷』をもった人がどういう結末を迎えるか”の二つを介して、”『遺伝性疾患』と『先天的な障害や疾患』、そして『後天的な障害』の三つによる当事者別の話”を作ろうと移り変わり、結果的にできたのが現在の『青防の守り人』シリーズとなるわけです。
勿論、差異はあるわけですが、”当事者間の置かれている環境の違い”というものを描写しつつも、リアルとフィクションの虚構と現実(まんまですね)をエンタメとして落とし込めたらな思っています。
わかりやすく言うと、『障害』を当事者別の環境を踏まえたうえで、メディアが報道する”表舞台の当事者”ではなく「環境の違いだけでこんな可能性もあるのか」という意見や「自分にも障害になるきっかけはあるかも知れない」という、”裏方の当事者”の存在の認知と、それに準ずる考えを持ってほしいということです(裏の意味は敢えて言いません)。
親からの行き過ぎた教育や思想、いじめ、障害、生活環境、病。
いろいろなことを話してきましたが、これらは事実であり、その教訓を活かしてよりそれぞれの『後遺症』を皆さんに知ってもらうことを切に願っています。そのためにより描写に磨きをかけていこうと思います。
雪瀬 恭志
口拓 ──青防の守り人 Bible──(制作秘話と裏話等) 雪瀬 恭志 @yuzuriha0605
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