第2話 僕たち三人は……

 僕の妻も元々は僕らの同僚で……妻も修ちゃんが自分自身の事は『二の次三の次』にしてしまう事を良く知っていた。


 僕たちが結婚してからは、アパートに一人住まいで生活をしている修ちゃんを……事あるごとに“飲み会”と称し自宅に招待していた。

 僕や妻が……何かの折にするちょっとした食事の差し入れさえも、彼は恐縮してなかなか受け取ってはくれないから。


 そんな流れで……月末はいつも僕の自宅で“お疲れ会”を行う様になり、彼は郵便局の帰りにウチに寄ってくれる。

 ところが先月末はT川岳で遭難事故があり、修ちゃんは郵便局から直接現地に向かい、そこで二次災害に遭ってしまった。


 その一報が僕のスマホに入った時、電話に出たのは妻で……妻はショックのあまりスマホを取り落としてしまった。


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