第2話 元カレが地味ですと?
《
(
まだ小学生に成り立ての時。その娘は僕に告白してくれたんだ。
(えっと。それは無理かな。それに僕は
(……は? 無理?!……な、なんでかな? 四君子君)
(いや。だって僕は静華ちゃんの事がね。好き……)
(それなら私をレンタル彼女にして練習しよう)
(レンタル……彼女? 何それ?)
(素敵な漫画よ。それよりもお付き合いの練習に私と付き合って。四君子君。良いよね? これからよろしくね。ダーリン)
(………ダーリン?)
こうして僕は小春をレンタル彼女にして数ヶ月には本当に付き合うことになっていたんだ。
◇
《入学式から数日後 黎明高校1年Aクラス》
「祝辞カッコ良くかったですよ~!
「うん。ありがとう。
「いや~! 流石私の幼なじみ。鼻が高いですよ」
この娘は
「後はその地味地味した姿を変えて高校デビューすれば完璧ですね。魔改造しちゃいましょうよ。今日の放課後行っちゃいましょう」
「いや。良いよ。今日は
「えー、私見たいな美少女幼なじみより。あんな変態エ○ゲーマニアを選ぶんですか? 正気なんですかーっ!」
「頭をグリグリしないでくれるかい? 静華ちゃん」
◇
「……………」
「おうおう。入学式が終わってからずっとあの首席合格君をガン見ですか。ハルさんや?」
「…………はっ?! ガ、ガン見何かしてないし。空を飛ぶ小鳥の数を数えていただけだし」
「後ろの席で頑張って話しかけたけど。その後は恥ずかしくなって親友の凛様の元へと逃げて来たのにかい? ん? ハルさんや?」
「それは……気のせいです」
「気のせいね。黎明の首席合格だからどんな子かと思ったら。髪はボサボサで地味メガネって……何か期待外れですな」
「な、何だと? 私の理想の元カ……男の子を馬鹿にしないでくれるかな?」
ゴキンッ!
「イタタタッ!! 関節がっ! 関節が可笑しな方向に曲がってるっ! 曲がってるから。ハルーッ!」
むぅ~! 私の元カノが地味メガネだとぉ! 何を言ってるのよ?
蘭が期待外れ?そんなのあるわけない。断じてないわ。付き合ってた頃から今もキラッキラに輝いているじゃない。
こうなったら私が蘭は本当は素敵な人だって事を凛に分からせてあげなくちゃっ!
◇
「蘭~! ゲーム買いに行こう~!」
「了解~! 今、行くよーっ!」
「いやっ! 行かないで下さいよっ! 私との放課後デートの約束を破る気ですか?
「いや。そもそもそんな約束してないしさ。
「はぁ~? 小さい頃からの幼なじみに何て口の聞き方してるんですかっ! 教育し直しますよ?」
「何? また幼なじみ漫才してるの? それどんな○ロゲー?」
「はい? 頭大丈夫ですか? 真君」
うーん……2人ともうるさい。同じクラスになったクラスメイト達が白い目で僕達を見てるのにそろそろ気づくんだ。
これ以上騒がないでほしいですけど。
「コホンッ! もしもし蘭……蘭君」
ん? この声は………
「小は…一ノ瀬さん…何かよう?」
3年前より凄く可愛くなったね。大人びたというかこんな美少女だったら彼氏がいても可笑しくない。
「そ、その……今日の放課後。クラスの親睦の為に皆でカラオケに行こうよ。蘭君と私の中学からの友達誘って皆で……ダメかな?」
「はい? カラオケ? 皆で?」
「うん。皆で行こう……(その後は2人で抜け出して従姉妹の美容室に連れ込むんだから)」
「ん~いや良いかな。真の○ロゲーを買いに行かないといけないからね」
「なっ?! 元カノのお願いよりも友達との○ロゲーの買い物の方が大事なの? どういう事? 蘭ーっ!」
「ちょっとっ! 何で胸ぐら掴むのさ? 小春っ?!」
「良いからカラオケに皆で行くわよ。さっさと準備しなさいっ!」
小春は僕の手を握るとそのまま教室を一緒に出た。
「あれ? 何? あの2人知り合いだったの?」
「………小春ちゃんですね。蘭々と私の小学生の時の同級生ですね……(それにしても何で今更小春ちゃんが蘭々にちょっかいかけてるんでしょうね? あの2人ってたしか別れた筈でしたのに)」
こうして今日の放課後は僕の友達と小春の友達達とで急遽カラオケに行く事になったんだよね。
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