黒髪美少女に成長した元カノとの距離感が色々とバグっている
冰藍雷夏『旧名は雷電』
第1話 一之瀬(いちのせ) 小春(こはる)の距離感はバグっている
「
「そんな。僕達あんなに……」
「ん……そうだね。でも別れよう。その方が蘭君の為だもん。蘭君は私よりよっぽど素敵な……」
小学生最後の卒業式。僕と小春は6年間の恋人関係に終止符を告げた。
◇
《3年後の高校入学式》
「蘭。君どのクラスだった?」
「んー? Aクラスかな」
僕の名前は
今日は高校生活初日の春の入学式。
中学校校の頃は特にハマっていた趣味といったら大爆笑パワハラブラザズのオンライン対戦のあおりプレイか。
キットガットの動画サイトの高速スクロールくらいなもので時間を持て余していたから自然と暇潰しに勉強をやっていて成績は徐々に上がって。
中学校を卒業する頃には結構な好成績になっていたよ。まぁ、3年前のあの失恋時に虚無感を埋める為にただただ夢中になれる事を模索して辿り着いたのが勉強だったってだけの話なんだけどね。
まぁ~、後は僕をフった相手への小さな抵抗の為に色々地味な特技も身に付けたんだけど。
今は入学式前にクラス分けで自分がどのクラスか確認するために友人の
「しかし。やっぱりガリ勉蘭が首席合格ですか……まだあの子の事を引きずってるわけ?」
「はい? いやいや。なに言ってのさ。小春の事なんて今更……それにあれは小学生の時までの話でさ」
「はぁ~! 始まったぁ。未練タラタラの失恋の話がぁ。それよりもささっと体育館行こうよ。答辞言うんでしょう?」
「あっ! ちょっ! そんないきなり引っ張らないでって。夕凪ーっ!」
夕凪は僕の右手を掴むと体育館へと進み始めた。
◇
《
「この春の良き日。僕達は新たな
「へ~! あれが今年首席合格の子?……何か地味じゃない? ハル~!」
「…………嘘。あれって蘭君?」
「ん〜? ハルどうしたん? ボーッと地味眼鏡君なんて見詰めててよう。 しっかりせい」
ポコりッ!
「あっ痛い……てっ! 全然痛くないし。止めろし。雛」
何だいあの子達? 僕が緊張しながら必死に答辞を叫びながら読み上げているのにさ。お喋りしてるな……ん……て? あの娘はまさか?
「……あれ?……はっ! すみません……麗らかなこの良き日。私達は新たな出会いに感謝します……ありがとうございました」
パチパチパチパチッ!!
………最後の読み上げ失敗して。ブーインクでめ来るのかと思ったけど。そこは流石、黎明高校。生徒の人達は皆好い人みたいで全然気にしていなかったよ。良かった。
しかし。さっき僕の事を見詰めていたあの娘はまさか。小春なのかな? いやあんな可愛い娘が元カノの小春な分けないよね……アハハ。
◇
《Aクラス》
体育館での入学式終了後。何のトラブルもなく新入生はクラス分けされた教室へと移動したんだ。
「蘭。やったね。同じクラスだ〜! 真くんも。」
「うん。よろしく~! 蘭君もよろしくっ!」
「こちらこそ。よろしく。同じ中学校の同級生が同じクラスだと助かるよ」
「学校側もそれを配慮してんだろうね」
「じゃなきゃそんな偶然あり得ないだろしな」
同じ中学校出身の
ツンツンッ!
「ねえ? 貴方もしかして蘭君?」
僕の後ろ席から僕の背中を遠慮気味に突っついてくる人がいるね。なんだか懐かしい声の様な。
「え~! 君は同じクラスの……」
僕は声なる方へと顔を向けると────
「あ~! やっぱり蘭君だった。久しぶり~! 会うのは小学校の卒業式以来だね。入学試験の時は全然会わなかったからさぁ。今日、入学式の答辞をさぁ。蘭君が言ってたから凄い驚いたんだよ」
ドックンッ!
「君は……小春?」
凄い早い口調で喋る艶やに黒髪で整った顔立ちの凄い綺麗な女の子。
僕の初恋の人にして初めて失恋を経験させてくれた元カノ。
これは6年間付き合って別れた元恋人同士の可笑しな距離感の恋物語。失ったはずの2人の時間が戻る恋のお話………
◇
第1話を最後まで読んで頂きありがとうございます。続きが気になる!っと思った方は、感想、応援、レビュー、星レビュー、作者フォロー等をして頂けると嬉しいです。
◇
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