可惜夜
しちめんちょう
可惜夜
君のその 影を踏みたる 放課後の
柔らかすぎる
名前さえ 呼べずに伸ばす 指先に
夏の風だけ わずかに触れる
僕の手を さらりと撫でし 君の髪
信号の 赤に染まりし
言いかけた言葉 ふわりと消えて
君がいま 息をひとつぶ 飲み込めば
それが答えと わかってしまう
時計見る 僕の視線を 追うように
君のまつげが わずかに
「帰りたくない」 口に出せずに
過ぎるベンチの 木洩れ日だけが
開け放つ 窓にふたりの 影ゆれて
名を呼ぶ前に 夜はほどけて
君の髪 まだ指先に 残りいて
可惜夜 しちめんちょう @Turkeyturkeysandwich
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます