その夜がとても冷たい日であったことを、私は覚えています。
握った妹の手が、この短い12年の中で最も暖かかったことを、私は覚えています。
だから、だからどうか。と何に祈ればいいのかも分からない中祈り続けていました。
あまりに儚い私の妹は、泣くことすら満足にできないようなのです。
もはや温度も測れなくなった右の手で、妹の手を握りなおしました。
感触がわからず、握れていたのかわかりませんが、確かに握りなおしました。
そして高く伸びるビルの暗さと、対照的に明るい交差点から差し込む光に照らされた妹を見て、
私は祈りの真実を知るのです。
何よりも愛しい妹がいました。
私はその愛しい妹を遺して死んでしまうのだということを知っていました。
――神様どうか、この子を誰よりも幸せにしてください
遠い救急車のサイレンの中に、私はそう願うのでした。
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