空色の瞳

「初（はじ）めまして」

言（い）わずに始（はじ）まる懐（なつ）かしみ

きみの瞳（め）の色（いろ）　いつか見（み）た空（そら）

オレンジの間接照明（かんせつしょうめい）　眩（まぶ）しくて

きみの部屋（へや）では影（かげ）を彩（いろど）る

吸（す）い終（お）えた煙草（たばこ）が数本（すうほん）騒（さわ）いでた

うつむくだけの3度目（どめ）の夜（よる）

意地悪（いじわる）で素直（すなお）にさせない距離（きょり）のまま

したの名前（なまえ）で呼（よ）び寄（よ）せた

行（い）き着（つ）いた故郷（ルーツ）で見（み）上（あ）げた雲空（くもぞら）は

焼（や）きついていたきみの瞳（め）の色（いろ）

関係（かんけい）ない関係性（かんけいせい）なら

雨（あめ）は降（ふ）らず

虹（にじ）が見（み）たいと望（のぞ）みもしない

グラスだけ並（なら）べてみたけどうわの空（そら）

破壊（はかい）できない　維持（いじ）もできない

宝箱（たからばこ）は誰（だれ）にも言（い）わず奥（おく）にしまう

時々（ときどき）開（あ）けて色褪（いろあせ）させる

約束（やくそく）をしない主義（しゅぎ）にひれ伏（ふ）して

瞳（め）を合わせない間接照明（かんせつしょうめい）

「さようなら」

言（い）わずに遂（と）げた戸惑（とまど）いに

わたしのようなきみはわたしになった