第1章 潮風に混ざる鉄 1-9
俺とメアは、全力疾走のおかげでプール近くにあった河川敷でやっと人魚姫に追いついた
しかも、橋の下で周りの目もつかない
「やっとぉ、追いついたぜぇ はぁ はぁ
今日こそ 倒し て やる ぜぇ はぁ」
俺は肩で息をしながら人魚姫に指を差し宣戦布告をする
「それは、こちらの台詞でしてよ
……あと、貴方その、チャック開いてますわよ」
人魚姫は、顔を背けながら俺の股間の方を指す
俺は、慌てて着替えたので閉め忘れたのかと思い
すぐさま、股間を見るがチャックはキチンと閉まっていた
閉まってるが?と思って人魚姫に抗議をしようとした瞬間、メアに蹴飛ばされて地面を転がった
そして、同時に背後からパァンと地面に何かを叩き付ける音がした
振り返ると大きな水溜まりが出来ていて
その中心部の地面はヒビ割れていた
「不意打ちとは、卑怯な」
俺は、人魚姫に拳を振り上げデモ団体の様に抗議する
しかし
「戦いは始まってるのに余所見するな」
メアに怒られたのでバツが悪いので誤魔化す為に急いで本を出してスキルを発動する
「狩人の銃」
今度の銃は、片手で持てるタイプのサブマシンガン
それを左手に持つ
そして赤ずきんで狩人が狼の腹を裂いた時に使ったナイフから着想を得た
「腹裂きのナイフ」
軍用の大型サバイバルナイフを右手に持った二刀流
これで、人魚姫を倒せる………はずだ
メアがサブマシンガンを撃ちながら、人魚姫に近づく
人魚姫は、ただ弾丸を避けるだけだった
何故か前みたいに攻撃隙間を縫って反撃をしてこない
水弾を撃つ動作すらしない
「何故?反撃しない、何が狙いだ?」
そう言いつつメアは、さらに距離を詰めた
そして、ナイフが届く範囲になる
「反撃しないなら、そのまま刺身になるまでおろしてやる」
人魚姫は、必死になってナイフ避けるが
メアがすかさず脚を銃で撃ち抜き、動けなくなった彼女を
左腕
腹
腹
と3度切りつける
そして、追い討ちで右肩に銃を撃つ
人魚姫は、崩れ落ちメアにもたれる様に倒れ込む
「呆気なかった」
「よし、メアそのまま装飾を奪い取れ」
メアが人魚姫から装飾を奪おうと、もたれ掛かった彼女を地面に投げ捨てた
すると
人魚姫の後ろの方から走ってくる青年の姿が見えた
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