第1章 潮風に混ざる鉄 1-1

次の日

俺は、大学が休みなので

メアと市の図書館に行く事にした


外に出ると生憎と空は雨が降りそうで

まるで俺達の生末が明るくない事を暗示しているように

どんよりしていた

天気を気にしつつ目的地に向かって歩いていると

メアが質問をしてきた


「ねぇ、何で今日は図書館に行くことにしたの?」


「昨日、話しただろう

 能力や武器をテーマにそって考えないといけないって

 だから、図書館に行く事にしたんだ」


「ネットで検索で充分じゃないの?

 外に出て敵と遭遇したらどうするの?

 今、現状私達はスキルや武器もないよ?」


メアが呆れた顔で見つめてきた

しかし、それに対して反論する


「昨日の夜さ

 赤ずきんについて軽くネットで調べたんだが

 作者によって色々話が変わってるから

 文字だけじゃいまいちインスピレーションがわかなくって

 それに、これ見て見て」


そう言って俺は、スキル書を出して1ページを開いて見せた

そこには、このゲームのルール説明が詳しく書いてあった

そして、項目の1つを指した


「ここに、図書館は停戦地帯って書いてあるだろ

 それに、ルールを破ったら参加資格を失うってあるし

 図書館で襲撃はないだろって踏んだんだ」


説明を聞いてもメアは、不服そうに言う


「でも、図書館に行くまでに遭遇したらどうするの?」


「だから、人通りの多い時間帯に外に出たんだよ」


「どうゆうこと?」


「ゲームのプレイヤーが誰かわからない状態だと

 無暗に攻撃し辛いだろう?

 だって間違って一般人に攻撃しようものなら警察が出てくるだろうし

 その場から逃げおおせたとしても顔を覚えられてマークされて

 四六時中敵から追われる生活の始まり始まり

 だからよっぽどのバカじゃない限り人が多い所で襲撃されないと思う」


ドヤ顔でそう論破する


「理解はしたけど、その顔ウザい」


俺は心にキズを負った

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